こうじ味噌と普通の味噌の違いって?手作りする方法は?
よく“こうじ味噌”って見かけるけど、普通の味噌とどう違うの?
せっかくならおいしくて満足できる味噌を使いたいな…
スーパーでよくみかける“こうじ味噌”って、通常の味噌とどう違うかご存知ですか?
毎日お味噌汁を飲む人にとって
どんなお味噌を使うのかってとても重要ですよね。
結論からいうと、
“こうじ味噌”は麹を前面に出したもの。
口当たりもまろやかで味もよく、とても人気があります。
ただ、こうじ味噌に明確な定義はありません。
そのため値段もピンキリですし、味わいもさまざま。
せっかく買ったこうじ味噌がイマイチ好みに合わず、お家でガッカリなんてしたくないですよね。
そこでこの記事では
- こうじ味噌ってどんな味噌?
- 普通の味噌との違い
- こうじ味噌のメリット
- こうじ味噌の手作りレシピ
について紹介しています。
特にこうじ味噌の手作りレシピは
数ある味噌作りのレシピの中でも珍しいものです。
この記事ではこうじ味噌について徹底的に解説していますので、ぜひともおいしい味噌ライフにお役立てください!
▼▼▼この記事を書いた人▼▼▼
こうじ味噌ってどんな味噌?
そもそもこうじ味噌ってどんな味噌なのでしょうか?
結論からいうと
麹が主役の味噌といえます。
なんとなくフワッとした言い方になりますが、それにもちゃんと理由があります。
ひと言でいうと「麹が主役の味噌」
麹が主役とはどういうことかというと、
この2つの特徴が挙げられます。
じつは明確な定義はない
じつは、こうじ味噌に明確な定義はありません。
例えば八丁味噌なら、
- 愛知県岡崎の限られた地域で作られた
- 原材大豆の全てを麹にした豆麹で作られる豆味噌
これらを満たしたものだけが八丁味噌を名乗れます。
\愛知県岡崎市・旧八丁村伝統の味/
麦味噌なら
麦こうじを使用した味噌のことを指します。
\大豆アレルギー対応!麦麹と塩のみ!/
詳細はこちらでも紹介しています↓
このように、原料や産地や法律によって名称も定義されますよね。
でも繰り返しますが、こうじ味噌には明確なルールはありません。
ですが発酵食は腐敗のリスクがある以上、ちゃんとどのように作られているか知っておくことが重要です。
特に人に勧めるのであれば理屈や根拠もしっかり知っておきたいですよね。
▼参考記事▼
ここからはこうじ味噌についてより深堀りいきましょう。
こうじ味噌=大豆より麹を多く使用
味噌の原料で中心となるのは大豆・麹・塩の3つですよね。
味噌といえば大豆食品というイメージがありますが、じつは味噌によっては大豆の1.5倍~2倍ほどの麹が使われている商品もあります。
(乾燥時の大豆の重量と比べて)
つまり、
麹をふんだんに使われた味噌をこうじ味噌と呼ぶわけです。
【2倍麹の味噌作りはこちら↓】
2種類以上の麹が使われている
もうひとつの特徴として、
米麹・麦麹・豆麹などの麹を2種類以上ブレンドして、麹のチカラで独自の風味・コクの出たものをこうじ味噌と呼ばれます。
普通の味噌との違い
ざっくりと見てきたように、こうじ味噌はこうじが主役の味噌のことです。
普通の味噌は
大豆(乾燥時)と同量か1.2倍くらいの麹が使われるのが一般的です。
大豆に対する麹の量のことを麹歩合(こうじぶあい)っていいます。
麹歩合が低い味噌はさっぱりとしてやや単調な味わいになります。
こうじ味噌では麹歩合を高めて麹をたくさん使うことで
- 深いコク
- 複雑な香り
- 麹の豊かな甘さ
を引き出すことができます。
ただし、麹には3日間かけて麹菌を繁殖させる手間がかかりますので、普通の味噌よりはやや割高になるのはこのためです。
麹を手作りして安く済ますなら…
こうじ味噌のメリット
気になるこうじ味噌のメリットは
- 濃厚で豊かな味わい
- 麹の有効成分がたくさん摂れる
この2点です。
濃厚で豊かな味わい
麹をたくさん使うと甘みが増します。
麹には糖化酵素がたくさん含まれており、大豆や麹のお米そのものを分解して甘みがたくさん引き出されます。
すると味噌の味わいが濃厚で豊かなものになり、麹のうま味も存分に味わえますよ。
麹でできた甘酒がお好きな人にはぜひ試していただきたいです。
麹の有効成分がたくさん摂れる
麹にはさまざまな有益成分が含まれ、腸活やボディーメイクに発酵食を取り入れる人はとても増えています。
詳しくは別記事にまとめているのでご参考いただけるとうれしいですが↓
麹のメリットは麹単体だけでなく、他の食材と組み合わせて食べることで効果はより高まります。
たとえば麹からお味噌を作り、
お味噌汁をつくることで野菜の栄養・温かいお汁で体温上昇させて免疫力アップという更なるメリットが生まれます。
長生きする人ほど食は質素。
— スタコジ|米と発酵とドカ弁 (@yurugenmai) May 12, 2023
当時ではかなりの長寿(75歳)だった徳川家康は「葉菜5種・根菜3種」の味噌汁を毎日食べていました。
無理におかずを増やすより、お味噌汁の具を増やすほうがカンタンですよね。
食の本質を理解して合理的に取りいれてたのが伺えます。 pic.twitter.com/l8J66P21cQ
ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。
普通の味噌とこうじ味噌の見分け方
普通の味噌とこうじ味噌を見分ける方法は簡単です。
まず、“こうじ味噌”と表示されているものは麹がどのくらい使われているを見てみましょう。
普通の味噌は原材料の最初に「大豆」
一般的に販売されている味噌の多くは、麹よりも大豆が多く使用されます。
そのため原材料欄の最初に“大豆”と表記されています。
これは食品の原材料の表記は、
たくさん使われている順に表記するというルールがあるからです。
原材料が
\大豆、米、食塩、酒精の順↓/
より詳しくは“口コミを見る”で
レビューが見られます
こうじ味噌は原材料の最初に「麹の原材料」
対してこうじ味噌は原材料の最初に
“米(もしくは麦、大豆など)”と麹の原料の表記がされます。
よくある表記で“10割麹”や“2倍麹”といった麹歩合が書かれているものもあります。
麹が増えるほどにふくよかな甘口の味噌になるので、ぜひお好みにあわせて得選んでみてくださいね。
麹歩合の高いおすすめこうじ味噌をいつくか紹介します!
おすすめ①:本江醸造食品 高級日の出味噌(10割こうじ味噌)
\大豆と同量・10割の麹を使用/
日の出味噌の10割こうじ味噌は
大豆と同量の米麹を使用した、米麹のふくよかな甘さが心地よい米味噌です。
そのままでも使いやすく、野菜にディップして食べたりカレーやドレッシングの隠し味にも使えます。
飽きのこない味わいで普段のお味噌汁にも最適です。
おすすめ②:内藤醤油店 四十麹みそ
\驚きの4倍麹みそ!/
大豆の倍の麹を使用した味噌を倍麹味噌、
3倍使用したものを3倍麹味噌といいますが、
こちらはなんと4倍も使用した極甘口味噌です。
秋田では麹をふんだんに使った味噌が親しまれていますが、その中でも4倍麹味噌は高級品として扱われ「これじゃないとダメだ!」というファンもたくさんいます。
しっかり甘いのだけど、ほどよい塩味が心地よいその味わいをぜひ試していただきたいです。
おすすめ③:井伊商店 麦みそ
\大豆アレルギー対応!麦麹と塩のみ!/
井伊商店の麦味噌はなんと麦麹(はだか麦)と塩のみという大豆不使用の麦味噌です。
大豆アレルギーの方も安心して食べられ、あっさり系の麦味噌の中にも豊かなコクが感じられる手作り味噌です。
井伊商店では何代にもわたってこの味噌が作られてきましたが、大豆不使用という点を行政に指摘され“味噌”が名乗れなくなる?というトラブルにも見舞われました。
しかしSNS上で麦味噌表記の存続支持を投げかけ、無事にいままで通りの表記で販売できることに。
いっときX(旧twitter)のトレンドに上がるほどになり、その経緯が全国ニュースに取り上げられるほど話題になりました。
お陰様で『味噌』と名乗れることになりました。
— 井伊 友博 (@iitom3) November 9, 2022
前回のツイッターの投稿から2週間が経とうとしています。
11/4(金)に県が一転して指導文書の取消しをしました。
これも、みなさんのおかげです。
本当にありがとうございました。
・井伊商店 井伊友博
・伊予醸造(株) 井上和也
・山内商店 山内拓人 pic.twitter.com/gRAxNyMSRc
2倍麹味噌にチャレンジしてみよう!
麹が主役のこうじ味噌の作り方を紹介します。
ここで紹介する2倍麹味噌は、その名のとおり大豆の2倍の麹を使った味噌のことです。
麹をふんだんに使うことで通常の味噌より濃厚でうま味の強い味噌が誰でも作れるのでぜひ試してみたください。
材料(甘口配合)
- 大豆 500g
- 生麹 1000g
- 塩 310g
- 酒粕(ペースト状) 300g~500g
くわしい作り方はこちら↓
こうじ味噌の手作りレシピ
こうじ味噌を手作りするのに特別なことはいりません。
先ほどの麹歩合を高めて麹をたくさん使うか、2種類以上の麹をブレンドすればいいのです。
ポイントを2つほど紹介します。
ポイント①:味噌に適した麹を選ぶ
まずは麹を選ぶポイントして、味噌に適した麹を選びましょう。
味噌に適した麹とは、大豆のタンパク質を分解する力が強い麹のことです。
麹の酵素によってタンパク質はアミノ酸に分解されます。
アミノ酸はうま味成分ですので、大豆のうま味をより引き出してくれます。
一般的に乾燥麹より生麹のほうが分解力が強いと言われています。
ポイント②:好みのタイプの麹を選ぶ
手作り味噌で一般的なのは米麹ですが、麦麹や豆麹を使って味噌を仕込むこともできます。
麦麹はあっさりとした味で、比較的短期間(約2~6ヶ月)でに仕上がります。
豆麹味噌はどっしりコクがあり、発酵期間は約1~2年と長めです。
くわしくはこちらもどうぞ↓
まとめ:麹が主役のこうじ味噌を楽しもう!
麹を前面に出したこうじ味噌は
味噌本来の豊かな風味がより楽しめる
味噌好きにぜひ試していただきたいタイプの味噌です。
まずは市販のこうじ味噌から試してみて、手作りやいつもと違うタイプの麹の味噌にトライしてみるのもいいでしょう。
じつは味噌ほど土地柄に差があり、全国でバリエーション豊かな食べ物も珍しいんです。
この記事が
おいしく楽しい発酵ライフのお手伝いになれば嬉しいです!