味噌マニアおすすめの味噌用大豆品種6選【甘味型・うま味型・バランス型】
お米にコシヒカリやササニシキといった品種があるように、大豆にも沢山の品種が存在します。
それなのに
意外と大豆の品種って気にしませんよね。
そういえば、大豆の品種別で味噌を仕込み比べたことってないな…
— 自宅製麹員(じたくせいぎくいん) (@jitakuseigikuin) February 8, 2022
酒屋だとひと造りで数種類の品種を仕込むから、色々と比較しやすいのだけど。
大豆だって甘味の強いのから、たんぱく質が多いの色々あるから面白いかも。
例えば味噌に向くとされる大豆の条件は、
- 大粒である
- 種皮が薄い
- 吸水性が高い
などが挙げられます。
これらは楽天やAmazonなどで購入可能。
ただ知らない名前ばかりで、
どれを選べばいいのか迷ってしまうと思います。
そこで今回は、味噌に向く大豆の品種を
「甘味型」
「うま味型」
「バランス型」
この3種類のタイプに分けて紹介いたします。
手作り味噌をよりおいしくする手助けになりますので、ぜひ参考にしてみてください!
▼▼▼この記事を書いた人▼▼▼
味噌に与える大豆の影響
まずは大豆の違いが味噌にどのような影響を与えるのか?
その根拠について解説します。
味噌の味を大きく左右するのは、大豆に含まれる糖質(炭水化物)・たんぱく質・脂質です。
糖質が多い大豆は味噌に甘味を加え、まろやかな印象を与えます。
そしてタンパク質が多いと、麹の力によってうま味成分であるアミノ酸に分解されるので、うま味豊かな旨口味噌に仕上がります。
脂質もコクや風味をプラスしますが、あまりに多いと脂肪が酸化することで臭みの原因になるので、ほどほどに含まれるのが望ましいです。
味噌に向く大豆の品種は
これらの要素を満たした大豆として味噌に向くとされています。
納豆は小粒なものが適しているといわれます。
甘味のある味噌になる品種
大豆に含まれる糖質が多く、かつたんぱく質・脂質が少なめだと、味噌にした時に甘さが乗ったまろやかな味に仕上がります。
また、雑味が少ないので
サッパリとした塩と合わせることで信州味噌のようなシャープでキレのある味にもできます。
塩選びの参考にはこちらをどうぞ↓
トヨマサリ
北海道の品種であるトヨマサリは糖質が多いのが特徴で、大粒かつ吸水性も高め。
味噌を作るのに理想的な条件を持つ品種です。
ちなみに、トヨマサリは産地品種銘柄といって、ユキホマレ、トヨコマチ、トヨハルカなど複数の品種を総称して、トヨマサリというひとつの銘柄名で取り扱っています。
つまり、トヨマサリという名前は
品種名でもあり、ブランド名でもあるということです。
ユキホマレ、トヨコマチ、トヨハルカなど、それぞれの品種が高糖質・大粒の類似した特徴を持つので、どれを選んでもOKです。
参考値: | 糖質(%) | たんぱく質(%) | 脂質(%) |
トヨマサリ(ユキホマレを参照) | 24.0 | 40.0 | 19.2 |
鶴の子
鶴の子は1905年に優良品種に認定された、古くからある粒が大きく、長く人気のある品種です。
脂質が少なく、優しい甘味が際立ちます。
鶴の子も北海道の産地品種銘柄で
ゆめのつるなどの複数品種から成ります。
トヨマサリ同様、道産の大豆は糖質含有が高い傾向が見られます。
参考値: | 糖質(%) | たんぱく質(%) | 脂質(%) |
鶴の子(ゆめのつるを参照) | 23.3 | 43.3 | 20.3 |
うま味のある味噌になる品種
逆にたんぱく質を多く含むタイプは麹の分解酵素によってアミノ酸が多くなり、しっかりとコクのある旨口味噌がお好きな方におすすめです。
エンレイ(艶麗)
エンレイは他品種に比べてたんぱく質含有量が高く、淡色味噌・褐色味噌どちらにも適した品種です。
赤味噌など、こっくり濃厚なタイプの味噌を作るのに適しています。
参考値: | 糖質(%) | たんぱく質(%) | 脂質(%) |
エンレイ | 20.8 | 44.5 | 18.9 |
シュウリュウ(秋粒)
シュウリュウもエンレイと同様にたんぱく質が多く、ほどよく脂質も含まれており、クリーミーでねっとりとした食味が特徴。
味噌だけでなく
豆乳・豆腐にしてもおいしく食べられます。
参考値: | 糖質(%) | たんぱく質(%) | 脂質(%) |
シュウリュウ | 22.6 | 43.9 | 21.4 |
バランスのよい味噌になる品種
糖質・たんぱく質・脂質をバランス良く含んだ品種は、味噌でもバランスの良い味に。
味噌だけでなく普段の煮豆や豆乳などにも幅広く使うことができます。
個人的にもこのバランス型の品種を選ぶことが多いですね。
フクユタカ
フクユタカは糖質・タンパク質・脂質を非常にバランスよく含んでおり、豆乳・豆腐・煮豆・味噌なんでもいけるオールラウンダータイプの品種です。
私も個人的に好きな品種で、迷ったらこれを選べば間違いない感はありますね。
参考値: | 糖質(%) | たんぱく質(%) | 脂質(%) |
フクユタカ | 21.7 | 44.7 | 19.4 |
半休+全休でスキができたので、冷凍保存しておいた麹で味噌を仕込みました。
— 自宅製麹員(じたくせいぎくいん) (@jitakuseigikuin) February 13, 2022
さらなるコクを求めて玄米麹と普通の米麹をブレンド。
大豆は今回もフクユタカです(^^) pic.twitter.com/1ygeMoiPr8
オオツル
オオツルは関東から東海、近畿にかけて広い範囲で栽培されている品種です。
こちらも糖質・たんぱく質の成分バランスが良く、まとまりのある味に仕上がります。
参考値: | 糖質(%) | たんぱく質(%) | 脂質(%) |
オオツル | 19.2 | 41.8 | 18.5 |
番外:ご当地大豆で独自の味噌作り
ひと口に大豆といってもいろいろありますね。
どれを選べばいいか迷ってしまったら、ご当地の在来品種から選ぶというのもいいでしょう。
多彩なご当地在来種
大豆は在来種も数多く、ご当地ならでは品種があったりします。
例えば宮城県でしか栽培されていないミヤギシロメ、
山形県の在来種・秘伝などがあります。
まとめ:大豆の品種で味噌の味は大きく変わる
今回は大豆の成分の特徴から
出来上がりの味噌の味を3タイプに分けてみました。
大豆にもお米ほどの知名度はないものの、品種による違いがあります。
個性はそれぞれですが
どれも味噌加工適正のある品種なので
それぞれおいしい味噌に仕上がります。
ご自身のお好みの味噌に合わせて、ぜひ大豆の種類にも注目してみてください。
シンプルだけど奥が深い…
それが味噌作りです♪
このサイトでは
・正しい雑菌対策
・酵素ってなに?
・効率よく発酵を学ぶ方法
なんて内容について
どこよりも詳しく紹介しています。
それは
手作り発酵食には、知識と理屈が不可欠だからです。
せっかくの手作り味噌や発酵食をおいしく安全に楽しむために、これらの記事もぜひご活用ください↓
はじめまして。
大豆の種類と成分組成についてはなかなか詳しく記載されたサイトが無いため、参考になりました。
当方は一時期、変わり種の味噌づくりにはまって、小豆、スイカの種、ピスタチオ、レンズ豆、ひよこ豆、そら豆など、色々なもので味噌を作ってみましたが、結論としては、”味噌はやっぱり大豆が一番うまい”というところに落ち着きました(苦笑)
青大豆、赤大豆、黒大豆、また、ここに上がっています殆どの大豆での味噌も作ってみましたが、個人的には赤大豆の味噌が意外と美味しかったです。(好みの部分はあると思いますが)
豆麴での豆味噌も作ってみましたが、こちらは手間がかかる分、大豆の香りが芳醇でやはりおいしいなと思いました。ただ、出来上がるまでに2年ほど掛かるので、買った方が楽ですけどね・・・
多次郎丸さん
コメントありがとうございます♪
変わり味噌への探求心、素晴らしいです✨
味噌の可能性を探求し続けたからこその結論ですね!