カビには酒粕が有効?初めてでも失敗しない味噌の作り方は?

自家製味噌の一番の敵はカビです。
せっかく作った味噌がフタを開けるとカビだらけになってた…というのは誰しもが避けたいですよね。
カビを防ぐには清潔な道具を使う・酒粕でフタをするなど、
物理的に味噌とカビを近づけないことで防ぐことができます。
この記事では初めて味噌を作る方、
または過去に味噌がカビてしまった方へ向けて失敗しない味噌作りを紹介いたします。
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初めての味噌作りで知っておきたいこと
まずは初めての味噌作りにあたり、知っておきたいことを紹介します。
- 清潔第一
- 仕込みには半日以上かかる
- 時短には蒸し大豆
- 甘口・辛口は配合で決まる
以下で詳しくみていきましょう。
清潔第一

味噌は冬の寒仕込みが良いとされてますが、道具の衛生と手洗いに気をつければ1年中仕込むことができます。
逆を言えば、衛生管理と手洗いがおろそかになると冬でも失敗します。
すこし脅すような言い方でしたが、ご安心ください。
食材や道具を触る前には手洗いをして、中性洗剤で洗って乾かした道具を使えば失敗することはほぼありません。
仕込みには半日以上かかる

前日の用意も含めて仕込み完了まで半日以上はかかります。
なにがそんなに時間がかかるかというと、大豆を蒸す(煮る)時間とつぶして混ぜる時間、ここにどうしても時間と労力がかかります。
ここがおいしい味噌を作るキモなので、スケジュールは余裕を持って長めに見ておきましょう。
時短には蒸し大豆
半日も時間をかけられないよ、という方には味噌の小仕込みには蒸し大豆がおすすめです。

すでに蒸し上がった大豆を使うのでレンジでチンして、30分で仕込みが完了します。


初めて味噌作りをされる方やそんなに沢山仕込まない方は蒸し大豆を活用してみましょう。
めちゃくちゃ便利です。
甘口・辛口は配合で決まる
味噌の配合は1種類ではありません。
麹を多くすると甘口、少なくすると辛口に。
麹の量で甘口か辛口かが決まります。
お好みの比率を選んで仕込んで下さい。
慣れてきたらオリジナルの配合を試してみるのもいいでしょう。
配合比率 | 大豆1000g あたり | ||
---|---|---|---|
大豆(乾燥時) | 麹 | 塩 | |
甘口(倍麹味噌) | 1000g | 2000g | 650g |
標準(麹歩合150%) | 1000g | 1500g | 570g |
辛口(麹歩合120%) | 1000g | 1200g | 530g |
塩分濃度は12%~13%
ただし、オリジナル配合に際して注意点がひとつ。
塩分を気にして塩を減らすのは避けましょう。
塩の殺菌力が弱まるので、少なすぎると腐造の恐れがあります。
オリジナルの配合を試すにも、塩の分量は12%~13%になるようにしてください。
【参考記事】自家製味噌や漬物には精製塩?天然塩?味噌に使う塩の選び方
失敗しない味噌の作り方
今回の材料
- 大豆 1000g
- 生麹 2000g
- 塩(カンホアの塩) 650g
道具
- 蒸し器
- 蒸し布
- 大きめのザル
- 仕込み桶
- 厚手のビニール(45ℓ) 1枚
- ラップ
- キッチンペーパー
- 消毒用アルコール(またはホワイトリカー)
※仕込み桶やザルなどは中性洗剤で洗い、しっかり乾かしておきます
手順は以下の順におこないます。
- 大豆を洗う(前日)
- 大豆を2時間蒸す(煮る)
- 大豆を潰す
- 材料を混ぜる
- 桶に仕込む
私の好みは甘めで複雑味のある味噌なので、今回は甘口の倍麹味噌で天日塩を使って仕込みました。
麹はお好みのメーカーのでOKです。
【参考記事】麹はどこで買える?麹の入手方法4選【スーパー・ネット通販・直売・自作】
①大豆を洗う(前日)
水を張った容器に大豆を入れてこすり合わせるようによく洗います。


水がうすく濁ってくるので3~4回は水を換えて、水がきれいになるまで洗います。


きれいに洗えたら一度水を切って水を張り直し、18時間以上浸けます。
大豆が水を沢山吸うのでたっぷりの水で浸けましょう。
水の量の目安は大豆の3倍以上です。
大豆が1キロであれば3ℓ以上の水に浸けます。


一晩浸漬した大豆は約2倍くらいに膨らみます。


左が18時間以上浸けた大豆、右が水に浸ける前の大豆。
一粒割ってみて、中に芯が残ってなかったらOKです。
もし残ってたら更に数時間水に浸けます。
②大豆を2時間蒸す(煮る)
たっぷりの湯を沸かした蒸し器に大豆を4~5回に分けて入れます。
4~5回に分けて入れるのは蒸しかけといい、蒸気が大豆を抜ける→大豆を足すを繰り返すことで蒸しムラを減らす方法です。


蒸気が抜けたのを確認して2時間程蒸していきます。
蒸し器が無い場合
蒸し器が無い場合は大豆を煮上げてもできます。
大豆にヒタヒタ程度の水を張って同じく2時間くらい煮上げます。


水位が蒸発して減るので、その都度水を足してください。
2時間経ったら大豆を1粒取り出して固さを見ます。
量りに乗せて500g位の力で大豆が潰れたらOKです。




量りが無い場合は、小指と親指でつまんで大豆が潰れたらOKです。
大豆が蒸し上がったら蒸し布ごとザルに広げて粗熱をとります。


触れる程度になるまで冷めたらいよいよ大豆を潰していきます。
※蒸した後の湯や煮汁はこの後の水分調整で使うかもしれないのでまだ捨てないでください。
塩切り麹を作る
大豆を冷ましてる間に麹と塩をよく混ぜて塩切り麹を用意します。




③大豆を潰す
大豆を潰すのにミンサーをお持ちなら最高ですが、


どのご家庭にも必ずあるものではないですよね。
なので厚手のビニールで大豆を潰す方法を紹介します。


自治体指定の不燃ゴミ袋なんかも厚手のが多いので使えるかもしれませんよ。
厚手で丈夫なビニールに大豆を入れたらうどん踏みの要領で大豆を潰します。


ビニールが破けないように内側に向かって踏んでくのがコツです。
大豆の粒が無くなってなめらかになるまで潰します。
でも少しくらい粒が残ってても発酵に問題は無いので深追いしなくて大丈夫です。
④材料を混ぜる
潰した大豆と塩切りした麹をムラができないようによく混ぜます。
労力はかかりますがここはしっかりやっておきたいポイント。


ムラがあるとその部分から雑菌に汚染され腐造の原因に。
混ぜ終わったら握ってみてボソボソせずボール状になればいい水分具合です。
ボソボソですぐ崩れるようであれば煮汁や蒸し汁を足して水分調整をして下さい。
④桶に仕込む
ここまできたらあと一息です。
もうひとつの仕込み桶に空気が入らないよう、ギュッと力を入れながら桶に詰め込みます。
空気が残るとそこから雑菌がわくことがあるので力を込めてやりましょう。


詰め終わったら酒粕を敷いて1cm程度のフタをします。


フタ用の酒粕にはペースト状のが便利です。


板状のまだ固い粕でも、暖かいところに数日間置いておくと柔らかくなるので、よく揉めば使えます。


空気に触れている部分からカビが繁殖するので、しっかりと空気を遮断することが重要です。
粕を敷き終わったら桶のフチをアルコールできれいに拭き、ラップと桶のフタして冷暗所で保管します。




完成後の酒粕も利用できる
味噌が完成後は酒粕を掬いとればOKです。
酒粕はひしおという味噌の水分が染みて、粕漬けや粕汁に再利用できます。
ぜひ活用してみてください。
ジップロックで仕込む味噌
余談ですが、桶の代わりにジップロックも使えます。
保存中に酵母菌によってガスが発生することがあるので、ときどき様子を見て空気が溜まってたら抜いてあげてください。


左が去年仕込んだ12か月もの、右が今回仕込んだものです。
仕込んでから大体6か月後くらいからが食べ頃です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
自家製味噌作りは正直手間も労力もかかりますが、
- 麹の量で甘口or辛口
- 塩を変えてまろやかorスッキリ
これらを組み合わせて自分の好みに味噌をクラフトできるのが一番楽しめるところではないかと思います。
ご自身の味噌をクラフトする楽しみにこの記事が役立てば幸いです。











