近年の健康志向で、玄米食や味噌などの麹食品がふたたび注目されつつあります。
当ブログをご覧の方々もきっと、玄米や発酵食に興味があってお読みいただけてるものと思います。
が、とはいえ普通のスーパーで玄米麹や玄米味噌が簡単に手に入るかというとそこまでではありません。
そこでこの記事では、玄米麹を使った玄米味噌の特徴3選と、玄米味噌の作り方について解説いたします。

興味はあるけど、自分で作るのは少しハードルが高いという方にも、私が実際に食べてオススメの玄米味噌を紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
▼▼▼▼▼この記事を書いた人▼▼▼▼▼
スタコジ(@jitakuseigikuin)と申します。
普段は造り酒屋で蔵人として10年以上働く発酵のプロ。
同時に自家製味噌や麹について発信している麹ブロガーです。
自身もゆる~く玄米食を始めて7年ほど経ちます。

普通の味噌との違い
味噌は通常、大豆と塩と米麹・麦麹・豆麹のいずれかを使って仕込みます。
麹の種類 | 出来あがる味噌 | 特徴 |
---|---|---|
米麹 | 米味噌 | 一般的な味噌・米麹を多く仕込むと白味噌 |
麦麹 | 麦味噌 | さっぱりとした淡い色・九州味噌 |
豆麹 | 赤味噌 | 濃い褐色・コクとうま味が強い |
一般的な味噌は米麹が使われ、米麹の原料は白米です。
これを玄米麹で仕込んだ味噌が玄米味噌と呼ばれます。
特徴としては米味噌よりも濃い褐色になり、深いコクが特徴です。

玄米味噌の特徴3選
玄米味噌の特徴は以下の3つです。
以下で詳しく紹介いたします。
うま味が増す

玄米は外側からロウ層・ぬか層・亜湖粉層という薄皮に覆われていて、ぬか層には脂質やミネラル・鉄分といった栄養素、亜湖粉層にはうま味が多く含まれます。
(詳しくはこちらの記事もご参考ください▼▼▼)

そのため玄米は白米と比べて栄養素だけでなくうま味も豊富で、うま味がそのまま玄米味噌に反映されます。
また、玄米に多く含まれるミネラル・鉄分もうま味に大きく関係していて、
ミネラルは塩味のほかに苦味・えぐみの要素になりますが、適量であれば味に複雑味が出て、うま味をさらに強く感じさせる特徴があります。
栄養価が高まる


上でも紹介した玄米のぬか層・亜湖粉層にはミネラルのほかに、食物繊維・ビタミンB1・B6といった栄養素も多く含まれます。
ビタミンは補酵素と呼ばれ、糖やタンパク質の分解・吸収を助ける重要な栄養素です。
特にビタミンB6は大豆に含まれるトリプトファンと反応して、セロトニンという精神安定物質になることが分かっています。
(玄米のさらに詳しい栄養素と反応についてはこちらもご参考ください▼▼▼)






抗酸化作用が増す


玄米にはフェルラ酸というポリフェノールの一種が含まれ、ポリフェノール同様に抗酸化作用があるのですが、麹菌が繁殖することによって抗酸化作用が更に高まることが解明されています。
面白いことに、麹菌の種類で抗酸化作用は異なり、最も抗酸化作用が高まるのが黒麹であるとのことです。








玄米味噌の作り方
玄米味噌の仕込み方は、通常の味噌とまったく一緒です。






米麹のかわりに使う麹を玄米麹に変えるだけ、配合を変える必要もありません。
現状、玄米麹はどこのスーパーでも手に入るほどではありませんが、
ネット通販を使えば簡単に入手可能です。
玄米は白米に比べて水を吸いづらく、製造に手間がかかるので買い求めづらいのですが、そのぶん原料にこだわったものも多いのが特徴です。
玄米麹のメリット・デメリット…
- 玄米麹は、普通の麹よりは入手しづらい
- 麹に加工しづらい分、産地や栽培法にこだわりある麹が多い
- 近年ではネット通販で入手しやくすくなった
玄米味噌を試すには?
興味はあるけど手作りはハードルが高いという方には、市販品でまず試してみるのがオススメです。
海の精・玄米味噌は発売されてから20年以上のロングセラー商品で、特別栽培の国産大豆・伝統製法の海塩・1年以上の長期熟成とこだわりが詰まったオススメの玄米味噌です。
ただし非加熱処理の味噌のため、常温では発酵が進みすぎてしまうことがあるので、冷蔵保存が推奨されています。
海の精 玄米味噌のメリット・デメリット…
- 20年以上のロングセラー商品
- 特別栽培の国産大豆・国産玄米・海塩・天然水と原料にこだわりがある
- 1年以上の熟成でまろやかな味わい
- 非加熱処理なので冷蔵保存が必要
私も何回も食べていますがコクがあり、うま味のあるおいしいお味噌です。
試してみて気に入っていただければぜひ手作り味噌にも挑戦してみてください。
ちょっと玄米のクセがあるな、と気になるのであれば、米麹とブレンドして仕込むのもいいでしょう。
半休+全休でスキができたので、冷凍保存しておいた麹で味噌を仕込みました。
— 自宅製麹員(じたくせいぎくいん) (@jitakuseigikuin) February 13, 2022
さらなるコクを求めて玄米麹と普通の米麹をブレンド。
大豆は今回もフクユタカです(^^) pic.twitter.com/1ygeMoiPr8
栄養価も高く味わい深い玄米味噌ですので、この記事が興味を持ってもらうきっかけになれたら嬉しいです。











