失敗の原因は?塩麹ヨーグルトメーカーでの作り方と失敗した時の対処法
塩麹を作っていると、たまに変わった匂いが出ることがあります。
これらの原因は菌の侵入によるものがほとんどです。
でも、異変が出たからといって必ずしも失敗した訳ではありません。
リカバリー可能な場合だってちゃんとあります。
せっかく作った塩麹を捨ててしまうのはもったいないですよね。
そこでこの記事では、
について解説いたします。
塩麹を安全に作りたい!
匂いが出てきて不安…
という人はぜひ最後までお付き合いくださいね。
▼▼▼この記事を書いた人▼▼▼
塩麴の異変の原因
塩麹の異変でよくあるのが、
- アルコール臭
- 酸っぱいにおい
- 麹が浮いてきた
- 白いふわふわが生える
この4つです。
これらの異変は塩麹に入り込んだ菌によって起こりますが、リカバリーのポイントを押さえていれば問題なく使えます。
不快な匂いがなければ食べても問題ない
麹にはもともと酵母菌や乳酸菌など、天然の菌が付着しています。
そのため塩麹を作る最中で、麹に付いてた菌が繁殖することって、じつはよくあることなんです。
通常であれば酵母菌も乳酸菌も無害な菌ですので、嗅いだときに不快な匂いでなければそのまま通常通り使うことができます。
においが気になる方は生食は避け、加熱調理に使えば匂いも揮発して和らぎます。
ただし、明らかに不快な匂いはやめておく
ただし、嗅いで強い嫌悪感・不快感のある匂いの場合はやめておきましょう。
酢酸菌や酵母菌以外の菌が繁殖して、有害なものになっている可能性があります。
不快に感じるのは人間の生存本能のアラートです。
絶対に食べず、廃棄してください。
あくまで酵母菌によるアルコール臭、乳酸菌による酸臭、
食べていいのはこのような匂いに限った話です。
菌を完全に防ぐことはできない
では塩麹に菌を入れなければいいんじゃない?と思いますよね。
ですが正直、菌の侵入を完全に防ぐのは不可能です。
なぜなら菌は空気中のいたるところにいて、それらを完全に除菌することはできませんよね。
麹自体に既にいる場合もある
麹自体に不要な菌が潜んでる場合もあります。
麹は製造段階で麹菌を育成するために蒸した米や穀物を一定の温度で保温します。
保温の際、もしくは完成したあとに雑菌が侵入することも。
道具・容器ならまだアルコールや熱湯で殺菌することができますが、麹そのものを道具のように洗剤で洗ったり、煮沸するわけにはいきませんよね。
空気中・麹自体にすぐにいるというのを考えると、雑菌を100%防ぐのは現実的に難しいのです。
それでも塩麹を安全に作る対策はあります。
対策①:雑菌を物理的に遮断する
塩麹ができるまで約1週間は毎日混ぜる必要があります。
(作り方はこちら↓)
混ぜる際は清潔なスプーンを使い、こまめにフタをして物理的に雑菌を遮断するようにしましょう。
なるべくぬか漬けやヨーグルトなど他の発酵食から遠ざけたりするのも効果的です。
対策②:アルコール臭の対策
アルコールのようなにおいが出るのは、酵母菌が繁殖したためです。
酵母菌は炭酸ガスとアルコールを生成するためアルコール臭が出ます。
酵母菌は空気中にたくさん浮遊しているほか、パン作りのイースト菌として使われています。
そのため、
これらの対策が有効です。
アルコール臭のリカバリー方法
もしもアルコール臭が出たとしても、生成されるアルコールは微量なので塩麹としては問題なく使えます。
冒頭でも触れましたが、においが気になる場合は加熱すれば揮発しますので、加熱調理に使えば問題ありません。
対策③:酸っぱいにおいの対策
酸っぱい匂いがする時は乳酸菌、または酢酸菌が入り込んだ可能性が考えられます。
さきほどのキッチンからの侵入でいえばヨーグルトやぬか床など、別の発酵の食品からの侵入が考えられます。
酸っぱい匂いのリカバリー方法
できればどちらかを離した場所におき、こまめにフタをして物理的に侵入する機会を減らしましょう。
酢もアルコール同様、人間にとって無害なので問題なく使用できます。
気になる方はアルコール臭同様に、漬物などそのまま食べるのは避けて加熱調理に使います。
対策④:麹が浮いてきた時の対策
塩麹の仕込み中に麹と水が分離して浮いてくることがあります。
これは麹の中で酵母菌が繁殖して炭酸ガスを出し、麹を浮き上がらせて起こります。
麹が浮いてきた時のリカバリー方法
全体をよく混ぜ、炭酸ガスを抜いてやればまったく問題ありません。
原因はさきほども出てきた酵母菌ですので、嫌な匂いがなければそのまま使うことができます。
ただし、ずっと浮いたままにしておくと炭酸ガスが溜まって、容器から噴き出す原因に。
以後冷蔵庫に保管するか、こまめに混ぜてガスを抜いてあげると安心です。
対策⑤:白いフワフワが生えてきた時の対策
1日1回混ぜるのを忘れていたりすると、塩麹の表面に白いフワフワなものが出てくることがあります。
この正体は産膜酵母菌という菌です。
産膜酵母菌は好気性といって空気に触れる面によく繁殖し、その名の通り膜のようなものを生成します。
カビのようですが酵母菌の一種なのでカビではありません。
ただし、赤・緑・黒などカラフルなフワフワはカビです。絶対に食べないでください!
また、産膜酵母は強いにおいを出しませんが、雑菌であれば不快なにおいが出ます。
匂いがおかしいと思ったらやめておきましょう。
白いフワフワのリカバリー方法
少量のフワフワであればスプーンで多めに取り除き、全体をよく混ぜます。
産膜酵母菌が出るということは、塩麹を混ぜるのが不十分であったのが考えられます。
1日1回全体をしっかり混ぜ込むようにしましょう。
ヨーグルトメーカーで安全に塩麹を作る方法
これらの異変を抑えるには共通の対策法があります。
手洗い・道具の清潔を確保
やはり清潔は食品の基本です。
手や道具から不要な菌が入るのを防ぎます。
食品に触る前には石鹸で手洗いをして、道具は中性洗剤洗って乾かしたものを使いましょう。
煮沸消毒・アルコール消毒をするとなお良しです。
塩分濃度をしっかり守る
塩麹の塩分濃度は13%~14%が適正濃度です。
これより塩分濃度が低いと雑菌が沸きやすくなるので、塩分を気にして塩の量を減らすのはあまりオススメしません。
また、水の量が多くても塩分濃度が下がる原因になります。
目分量ではなく重さを測りながら仕込むと塩分濃度がブレず、雑菌の繁殖を抑えられます。
常温なら1日1回しっかり混ぜる
そもそも酵母菌を繁殖させないためには、1日1回よく混ぜることが重要です。
塩麴に使う塩には殺菌作用がありますが、まんべんなく混ざっていないと殺菌作用が薄れる原因になります。
特に、仕込んですぐは麹がまだ固く溶け切っていない状態。
1日1回よく混ぜることで麹の溶けをうながしつつ、塩を全体に行き渡らせる効果が期待できます。
ヨーグルトメーカーを使って55℃~60℃で保温する
55℃~60℃で保温することで雑菌の繁殖を抑えることができます。
さらに、完成まで大幅な時短ができるのも大きなメリットです。
65℃は超えないように注意
ただし注意点がひとつあります。
麹の持つ酵素は65℃以上になると失活し、食材のうま味を引き出す効果が失われるので、65℃は超えないように注意しましょう。
ヨーグルトメーカーなら設定した温度で保温してくれるので便利です。
すでにお持ちの炊飯器やレンジに保温機能があればそれでもOK。
保温機能があるか分からない方は一度調べてみるのをおすすめします。
まとめ:発酵と腐敗の理屈を知ると失敗が格段に減る
菌は空気中や麹そのものに既に生息しているので、菌そのものを防ぐことは現実的ではありません。
そのため紹介してきたように
以上を考慮すれば異変が起こる割合は格段に減ります。
これらは安全に発酵食を楽しむための基本ばかり。
発酵食が好きな人ほど、これらの理屈についても知っておくとよりおいしく、より安全に発酵食を楽しめます。
においの異変だけならまだ問題ありませんが、腐敗や食中毒を避けるためにもぜひ読んでてみてください↓
麹の入手方法についてはこちら▼▼▼
塩麹や味噌の塩についてはこちら▼▼▼
麹の活用法についてはこちら▼▼▼