モッツァレラチーズなぜ低温殺菌牛乳が必要?作り方とホエーレシピを紹介
- 自宅でできる
モッツアレラチーズの作り方 - 低温殺菌牛乳(ノンホモ牛乳)
が必要な理由 - ノンホモ牛乳の入手方法
- 余ったホエーの活用レシピ
モッツァレラチーズはチーズの中でも鮮度が命で、できたてが最高です。
本当のできたてを味わいたいなら手作りするのがおすすめです。
道具に特別なものは使いませんが
牛乳選びがとにかく重要です。
牛乳の種類を間違えてしまうと
うまく固まらず、失敗の原因に。
できれば失敗せずに、おいしく食べたいですよね。
そこでこの記事では
失敗しないモッツァレラチーズの作り方について紹介します。
結論からいうと
牛乳には低温殺菌牛乳(ノンホモ牛乳)を使う必要があります。
低温殺菌?ノンホモ?
なにそれ…?
「耳慣れない言葉で、ちょっと不安だな…」
という人にも、どんな牛乳なのかわかりやすく紹介いたします。
チーズ作りで出るホエーも栄養満点でおいしく活用できますので、ぜひやってみてくださいね!
▼▼▼この記事を書いた人▼▼▼
低温殺菌牛乳(ノンホモ牛乳)が必要な理由
まず大前提としておさえておきたいのが、
失敗しない手作りモッツァレラチーズは牛乳選びがとても重要だということです。
選ぶべき牛乳は、
- ノンホモ牛乳であること
- 低温殺菌であること
この2つがとても重要です。
この2つを満たした牛乳はこちら↓
ノンホモ=ノン・ホモゲナイズドの略
しぼったそのままの牛乳は乳脂肪分が不均一で、そのままでは固まりになることがあります。
そのため市販牛乳の多くはホモゲナイズド処理という、乳脂肪分の大きさを均一にする処理がされています。
これにより牛乳の品質は安定しますが、チーズ作りには失敗の原因になります。
そのためホモゲナイズド処理していない、ノンホモ牛乳を選ぶのが重要です。
低温殺菌(63℃で30分間加熱)した牛乳が必要
市販の牛乳の多くは120℃~130℃で3秒間の高温殺菌処理が主流です。
これに対して、63℃で30分間加熱殺菌したものを低温殺菌法と呼びます。
手間も時間もかからない高温殺菌法は量産に向きますが、牛乳のタンパク質が変性してチーズにした時にうまくまとまりません。
そのためタンパク質の変性が少なく、より生乳に近い状態の低温殺菌の牛乳が必要です。
低温殺菌には
- 63℃で30分間
- 75℃で15秒間
の2種類がありますが、どちらでもOKです。
自宅でできるモッツァレラチーズの作り方
材料…
- ノンホモ・パス牛乳
3000ml - 米酢(穀物酢でもOK)
200ml - 濃度14~15%の塩水
約1000ml (水1000ml+塩160g)
道具…
- 鍋
- 温度計
- ザル
- 寿司桶(ボウルでもOK)
- 耐熱ヘラ×2
- 食品用手袋
- 90℃の湯 約3ℓ
- 氷水 約2ℓ
①乳を温める
牛乳を鍋にあけ、中火で混ぜながら63℃~65℃まで温めます。
※…写真では見やすくするため、材料の1/3の1000mlずつ作りました。
お持ちの鍋の容量に余裕があるなら一度にやってしまってOKです。
②酢を加えて濾す
この状態で酢を加えて1分ほど混ぜます。
すると牛乳がカード(凝乳)とホエー(乳清)に分離するので、ザルに濾してカードを取り出します。
ホエーもおいしく再利用できるので、捨てずにとっておきましょう。
(ホエーの活用方法はこちら↓)
③湯で練りながらホエーを取り除く
寿司桶に90℃の湯とカードを入れ、
ヘラを使ってカードを折りたたむようにこねていきます。
こねることでカードに含まれる余分なホエーを取り除くのが目的です。
お湯が冷めそうなら、湯を足して温度を保ちます。
容器はボウルでもいいですが、
寿司桶だと保温性があり、木目が適度な抵抗になってこねやすいのでオススメです。
④ちぎって冷やす
こねて弾力が出てきたカードを手に取り、更にこねると表面がつるんとしてきます。
湯が熱いので手袋をしてやりましょう。
手袋の内側に布手袋をしておくと熱さが和らぎます。
さらにつるんとしてきたら
片方の人差し指と親指で握って、押し出すようにやさしく千切ります。
ブチッと引き抜くと断面が荒くなり、
そこから牛乳の風味が逃げてしまうので注意が必要です。
丸めたカードを氷水で冷やして成型します。
冷やすことで特有の弾力が生まれます。
⑤塩水に浸けて完成
しっかり冷えたら塩水に20分ほど漬けて味付けをして、水を切ったら完成です。
あまり日持ちはしないので、
冷蔵保存で1週間を目安に食べきります。
ラップにくるんで冷凍すればひと月はOKです。
塩麹に漬けてもGOOD
塩水の代わりに塩麹もオススメです。
適度に水分が抜けて乳の旨味が引き立ちます。
ビニール袋にチーズとひたる程度の塩麹を入れて、一晩漬けることで塩麹の旨味も加わります。
紅色のは梅麹。
梅酢の程よい酸味がよく合います。
梅麹についてはこちらをどうぞ▼
市販の高温殺菌では作れない理由
チーズの元となるカードは
乳たんぱく質の一種であるカゼインと乳脂肪分からできています。
カゼインは80℃以上の熱で熱変性を起こし、分子の立体構造が崩れます。
そのため、120℃~130℃の高温殺菌した牛乳ではカゼインが崩れているので、カードがまとまりません。
高温殺菌の牛乳でも布で漉すカッテージチーズであれば作れますが、モッツァレラチーズのように弾力があるタイプは低温殺菌+ノンホモ牛乳が必要です。
低温殺菌・ノンホモ牛乳の選び方
作り方を紹介してきましたが、
肝心の牛乳、特に低温殺菌のものってあまり見かけませんよね。
そこで、実際に牛乳を選ぶ際の注意点をいくつかまとめておきます。
表記をよく読んでみる
繰り返しお伝えしてますが、
失敗しないチーズ作りでまず重要なのが殺菌温度です。
パッケージには必ず殺菌温度が記載されていますので、「65℃30分殺菌」または「75℃15秒殺菌」のものを選びましょう。
低温殺菌・ノンホモ牛乳の例はこちら↓
自然派食品店や品揃えのいいスーパーで手に入れやすい
正直、低温殺菌牛乳はどこのスーパーで売ってるものではありません。
まずはお住まいの近くの自然食品店や、品揃えのいいスーパーなどを探してみましょう。
もし無いようであればネット購入が確実です↓
\まとめ買いならネットが便利/
ネットで購入する際も
商品の詳細をよく読んで、「ノンホモ」「65℃~75℃殺菌」であることを確認しましょう。
おすすめはふるさと納税を活用
1リットルの低温殺菌・ノンホモ牛乳からとれるモッツァレラチーズは、およそ100グラムです。
ある程度まとまった量のチーズを作るには、ノンホモ牛乳も3リットルは必要になります。
そこでまとまった量を購入するなら
ふるさと納税の利用もおすすめです。
実質の負担額は2000円なので、
冷蔵配達の送料を加味して考えてもかなり有効な手段です。
\低温殺菌・ノンホモ牛乳のふるさと納税品/
残ったホエーの活用法
チーズを作った後にはホエー(乳清)が残ります。
ホエーはたんぱく質と乳糖を豊富に含み、栄養がとても豊富です。
低温殺菌牛乳のホエーであれば生乳に近い濃厚なミルク香も楽しめますので、ぜひ捨てずに利用してみてください。
ホエーレシピ①:上澄みでサワークリーム
- 冷やしたホエーの上澄み
- クリームに対して
5~10%の砂糖
ホエーを一晩冷蔵庫に入れておくと白いクリームが浮いてきます。
これをすくってミキサーでよく混ぜ、
5~10%くらいの砂糖でお好みの甘さに調節すると爽やかな酸味のサワークリームができます。
ホエーレシピ②:ホエーの水キムチ
- お好きな野菜 500g
(白菜・大根・キュウリ・トマトなど) - リンゴ 1/2個
- にんにく 1かけ
- 鷹の爪 1かけ
- 塩 大さじ1
- ホエー 150cc
上記の上澄みクリームを取った後のホエーは水キムチがおすすめです。
一晩冷蔵庫に寝かせてからどうぞ。
すぐに食べてもフレッシュでおいしいですが、塩がなじんだ2~3日後からも食べ頃です。
1週間程度を目安に食べきりましょう。
ホエーレシピ③:ホエーと甘酒のスムージー
- ホエー 100cc
- 甘酒(濃縮タイプ) 50cc
- お好きなフルーツ・野菜 80g
(イチゴ・バナナ・トマトなど)
ホエーと甘酒(濃縮タイプ)を2:1で割っても美味しく飲めます。
朝のたんぱく質・ブドウ糖補給に効果的です。
ホエーにしっかりコクがあるので、お好みでイチゴやトマトを加えてスムージーにしてもおいしく飲めます。
まとめ:低温殺菌牛乳で失敗しないチーズ作りを!
モッツァレラチーズの作り方は牛乳選びが重要です。
紹介してきたように
・低温殺菌
・ノンホモ牛乳
この2つを満たす牛乳であれば失敗の心配はありません。
できたてのモッツァレラチーズの味は格別ですので、ぜひともお試しください!