味噌には海水塩?岩塩?コスパは?塩の最適な使い方とおすすめの塩7選を紹介

塩には
- 天然塩(海水塩・岩塩・湖塩)
- 精製塩
- 再加工塩
この3種類があって、以前の記事でその見分け方を紹介しました↓

今回はもっと具体的に、それぞれどんな時につかえばいいのか?というテーマを掘り下げてみます。
結論から申し上げますと、塩は用途によっておすすめが変わります。
特に天然塩は海水塩・岩塩・湖塩と個性豊かな反面、種類がありすぎて迷いがちですよね
そこでこの記事では個性豊かな塩の向き・不向きを紹介しつつ、どんな時にどの塩が適しているのかを詳しく解説していきます。
- お味噌作り
- 普段の塩選び
- コスパの良い塩の使い方
こうした時にどの天然塩を選べばいいのか、塩選びに役立ちますのでぜひ最後までご参考ください!
▼▼▼▼▼この記事を書いた人▼▼▼▼▼

おすすめの天然塩①:カンホアの塩
おすすめの天然塩(海水塩)
まず海水塩で私がおすすめするのはカンホアの塩です。
ベトナム・カンホアの専用塩田で作られます。

この塩では、人の手による加熱は行いません。
天日干しにによる伝統製法で2~3ヶ月かけてゆっくり結晶化されるので、少ししっとりとした手触りが特徴で、石臼で挽いただけのやや大粒な塩です。
カンホアの塩の成分
カンホアの塩 成分表 | (100gあたり) |
---|---|
熱量 | 0kcal |
たんぱく質 | 0g |
脂質 | 0g |
炭水化物 | 0g |
ナトリウム | 33.76mg |
マグネシウム | 780mg |
カルシウム | 620mg |
カリウム | 250mg |
食塩相当量(塩化ナトリウム純度) | 85.82g(%) |
成分は海水のミネラルをとても多く含んでおり公式ページでも
「海の成分を全体的に取り込んだ、深く豊かな味わい」として紹介されています。
有限会社 カンホアの塩公式ページより
カンホアの塩の実際の味
実際に塩単体で味わってみると、
塩味の後から甘味・うま味・かすかな苦味が一体となって押し寄せるパワフルな味幅がありながら、後味もザラつかず非常に食べやすい印象を受けます。
手間のかかる天日干し製法にもかかわらず100gあたり約110円とコスパにも優れ、
私自身も一番よく使ってる塩で非常におすすめです。
20キロで購入した塩を自家用に使いやすいよう、1キロずつの小分け作業。
— 自宅製麹員@麹ブロガー (@jitakuseigikuin) March 19, 2022
こぼれた塩は日本酒で流し込みますねん。(準備は万端) pic.twitter.com/XUSLKEBTMq
冷暗所に置いてしっかり密閉しておけば塩ですので傷む心配もありません。
私の場合、20キロで購入して2年くらいかけて使っています。
発酵食にも適した豊富なミネラル
味噌や塩麹などの発酵食にも相性が非常に良いです。
特に味噌に使うと大豆の旨味を引き出してくれるので、ダシがいらないんじゃないか?ってくらいの旨口味噌に仕上がります。
ただし信州味噌のようなシャープな辛口味噌がお好みの人にとってはちょっと味が多いと感じてしまうかもしれません。
カンホアの塩のメリット・デメリット…
- 伝統製法の天日干しで作られる海水塩
- 100gあたり約110円の高コスパ塩
- 海をそのまま塩にしたような広い味幅
- 味噌など発酵食を旨口に仕上げてくれる
- 大量に使いやすい20kgサイズもある
- シャープな味が好みな人には少し味が多く感じるかも
おすすめの天然塩②:ひんぎゃの塩
おすすめの海水塩2つめは、
伊豆諸島の青ヶ島で作られるひんぎゃの塩です。

ひんぎゃとは「火の際(きわ)」の意味で、世界でもここだけの青ヶ島の火山による地熱蒸気によって作られます。
青ヶ島製塩事業所 公式ページより
ひんぎゃの塩の成分
ひんぎゃの塩 成分表 | (100gあたり) |
---|---|
熱量 | 0kcal |
たんぱく質 | 0g |
脂質 | 0g |
炭水化物 | 0g |
マグネシウム | 820mg |
カルシウム | 1180mg |
カリウム | 390mg |
食塩相当量(塩化ナトリウム純度) | 86.18g(%) |
ひんぎゃの塩の実際の味
こちらは塩単体で味わうとカルシウムの含有が多いのもあって酸味とシャープな苦みが感じられ、カンホアの塩と比べてキリッと引き締まった印象を受けます。
しかし同時に海水由来のミネラルによる豊富なうま味・甘味も感じられます。
後味も非常にスッキリとしていてキレが良く、食材の味を邪魔しないのでお刺身や天ぷらなど和食の食卓塩としてとてもおすすめです。

ただし、さきほどのカンホアの塩と比べると100gあたり約600円台と値段がやや高く、サイズも200gまでの展開になっています。
そのため味噌や漬物に大量に使うというよりは、やはり食卓塩として少量ずつが適しています。
ひんぎゃの塩のメリット・デメリット…
- 世界でもここだけの地熱蒸気によって作られる海水塩
- 海水のうま味・甘味がありつつ、キリッと引き締まった後味
- 和食の食卓塩に非常におすすめ
- 値段は100gあたり約600円とやや高め
- サイズ展開が200gまでなので、大量に使うには向いていない

おすすめの天然塩③:海の精 あらしお
海水塩でおすすめ3つめは海の精 あらしおです。
海の精 あらしおの成分
海の精 あらしお 成分表 | (100gあたり) |
---|---|
熱量 | 0kcal |
たんぱく質 | 0g |
脂質 | 0g |
炭水化物 | 0g |
マグネシウム | 700mg |
カルシウム | 400mg |
カリウム | 240mg |
食塩相当量(塩化ナトリウム純度) | 86.36g(%) |
伊豆大島で作られる海の精 あらしおは「ネット架流下式塩田」という独自の工夫が施されて作られます。
聞き慣れない製法ですが、
海水をネットに何度も通して風力・太陽光で水分を飛ばし、最後に平釜で加熱されているので、自然に近い伊豆大島の海水が凝縮された旨口塩に仕上がっています。
海の精株式会社 公式ページより
値段も100gあたり200円台とお手頃コスパが嬉しいです。
海の精の実際の味
塩単体ではミネラル含有が全体的に穏やかで、酸味や苦味が少なくマイルドな味わい、
ミネラルのクセが少なくまとまりがあって非常に使いやすい塩です。
料理全般はもちろん、味噌などの仕込みではよりカドの取れた優しい味わいに仕上げることができます。
塩むすびなんかにもいいですね。

海の精で仕込んだ味噌を試してみる
少し話が逸れますが、
海の精のもうひとつのおすすめポイントが、海の精では自身の塩で仕込んだ味噌が数種類販売されていてまずはこちらを試すことができるところです。
お塩屋さんが自身で味噌を仕込んで販売するって、ありそうで実は意外とないんですよね。
味噌の種類も玄米味噌・麦味噌・豆味噌の3種類があり、加熱処理をしていない生味噌です。
そのため要冷蔵商品ですが、手作り味噌にとても近い風味が楽しめます。
- 味噌を仕込む前に、とりあえず試してみたい
- 味噌を仕込むのは手間だけど、天然塩(海水塩)仕込みの味噌を使ってみたい
こういう方にとてもおすすめです。
海の精使用の醤油もおすすめ
味噌のほかにも、海の精で作られた醤油もあります。
海の精の自社製品だけでなく、他県の醤油屋さんがわざわざ取り寄せて仕込みに使ったものもあります。
発酵食品との高い相性がうかがえますね。
こうした派生品が多いのも海の精の魅力のひとつです。
海の精 あらしおのメリット・デメリット…
- 全体的にミネラル含有が穏やか
- クセがなく、まろまりのある使いやすい塩
- 100gあたり約200円でお手頃コスパ
- お試しで使うなら170g 464円(税込)がおすすめ
- 味噌に使う方は海の精味噌を試すのもおすすめ
- 派生品が多く、色々試すのに向いている
- 味噌はすべて生タイプなので冷蔵が必要
おすすめの天然塩(岩塩・湖塩)
おすすめの天然塩④:サーレ ディ ロッチャ

サーレ ディ ロッチャはイタリア・シチリア島で採掘された岩塩タイプの塩です。
サーレ ディ ロッチャの成分
サーレ ディ ロッチャ 成分表 | (100gあたり) |
---|---|
熱量 | 0kcal |
たんぱく質 | 0g |
脂質 | 0g |
炭水化物 | 0g |
食塩相当量(塩化ナトリウム純度) | 99.7g(%) |
残念ながらナトリウムやマグネシウムなどのミネラルについての表記が無く、詳しい数値はわかりませんが、
食品相当量が99.7%とかなり純度の高い塩であることがわかります。
値段は2022年3月現在で500gで518円~615円ほどなので、100gあたり約100円~120円と使いやすい塩です。
サーレ ディ ロッチャ実際の味
岩塩も海水塩と同じくもともとの原料は海水ですが、地球の地殻変動によって取り残された海水が干上がり、地層の強い圧力によって塩化ナトリウムの純度が高い傾向にあります。
そのため塩単体だとピリッと塩辛い印象ですが、ミネラルが味を邪魔しないので食材のうま味を引き出すことにかけて岩塩はピカイチです。

ミネラルによる味の影響が少ない分、例えばチキンやポーク、ビーフといった肉料理に黒コショウやハーブ類と一緒に下味付けするだけでめちゃくちゃおいしく仕上がります。
その代わり、スープや煮込み料理など全体の味をうまくまとめるには、やはりミネラル分の多い海水塩に軍配が上がります。
サーレ ディ ロッチャのメリット・デメリット…
- 塩化ナトリウムの純度が99.7%と非常に高い
- 100gあたり約100円~120円
- 塩単体だと塩辛く感じるが、肉や魚のうま味を引き出すのに最適
- 黒コショウやハーブ類と一緒に使うのがおすすめ
- スープなど全体の味を整えるには海水塩の方が適している

おすすめの天然塩⑤:デボラ湖塩
オーストリアのデボラ湖から採取されるデボラ湖塩も、岩塩と同様に高い塩化ナトリウム純度を持ち、スッキリとシャープな味の塩です。
値段は100gあたり約33円とこれまで見てきた中では群を抜いて安くなっています。
デボラ湖塩の成分
デボラ湖塩 成分表 | (100gあたり) |
---|---|
熱量 | 0kcal |
たんぱく質 | 0g |
脂質 | 0g |
炭水化物 | 0g |
マグネシウム | 75mg |
カルシウム | 170mg |
カリウム | 25mg |
食塩相当量(塩化ナトリウム純度) | 98.75g(%) |
デボラ湖塩の実際の味
塩化ナトリウムの純度が高いのでピリッとした刺激がありますが、口の中に馴染んでくると徐々に甘さや酸味が感じられるようになります。
最初に刺激が強く感じるのはミネラル分が海水塩と比べて低く、塩そのものの味が感じやすいからでしょう。
ミネラルのクセが少ないのを利用して味噌や漬物につかうとシャープさが際立って、いわゆる辛口味噌や漬物になります。
デボラ湖塩のメリット・デメリット…
- 岩塩同様にスッキリとキレのある塩
- 味噌に使うと信州味噌のような、シャープな辛口味噌に仕上がる
- その他漬物にも適している
- 100gあたり約33円と大量に使うのに向いている
- 岩塩同様にミネラル分は少なめなので、塩辛いのが苦手な方は海水塩がおすすめ
おすすめの精製塩・再加工塩
なにかと悪者にされがちな精製塩や再加工塩ですが、使い方次第ではとても心強い存在になってくれます。
おすすめの精製塩・再加工塩⑥:塩事業センター 食塩
塩事業センター食塩の成分
塩事業センター食塩 成分 | |
---|---|
マグネシウム | 基準0.02%以下 |
カルシウム | 基準0.02%以下 |
カリウム | 0.25%以下 |
塩化ナトリウム純度 | 99%以上 |
精製塩とは、人工的に塩化ナトリウムの純度を99%以上まで高めた塩のことです。
大量生産に向き、他の塩と比べると圧倒的な値段の安さを誇ります。
ポイントは驚愕の安さ
ここまで見てきた塩は価格にすると500gあたり400円以上のものばかりでしたが、
塩事業センター食塩はなんと100gあたり約17円というとんでもない安さを誇ります。
塩事業センター 食塩の実際の味
味はというと、ミネラルが極端に少ないのもあって塩味が尖っていて、甘さもほとんど感じません。
いわゆる塩辛いという印象です。
下処理用に大活躍!
そのためタコの塩もみや野菜の塩ずりなど、塩を下処理で大量に使いたい時に非常に有効です。
他にも、重曹かレモンと混ぜた塩をこすって使うとキッチンのコンロや換気扇の掃除に使えます。

塩事業センター食塩のメリット・デメリット…
- 100gあたり約17円という驚愕の安さ
- 魚の下処理など大量に塩を使うのに向いている
- 重曹かレモンと混ぜてキッチン周りの掃除にも
- ミネラルは極端に少ないので、単体だとかなり塩辛く感じる
- 辛口味噌をよりシャープにしたい時など、用途に注意
おすすめの精製塩・再加工塩⑦:伯方の塩
伯方の塩の成分
伯方の塩 成分表 | (100gあたり) |
---|---|
熱量 | 0kcal |
たんぱく質 | 0g |
脂質 | 0g |
炭水化物 | 0g |
マグネシウム | 100~200mg |
カルシウム | 50~200mg |
カリウム | 50mg |
食塩相当量(塩化ナトリウム純度) | 95.2g(%) |
伯方の塩は再加工塩です。
にがり(マグネシウム)が添加されることでほどよい味の幅があり、100gあたり約32円とこちらもザ・コスパ塩です。
塩化ナトリウムの純度も岩塩や精製塩ほど高くはありませんがすっきりとした使いやすい塩なので、発酵食や料理用など幅広く使えます。
そういった意味では総合的な汎用性はダントツでNO.1と言えますね。
伯方の塩の実際の味
味の面ではほどほどにマイルドですが海水塩よりは粗く、岩塩よりはシャープに感じません。
そのため悪く言えばこれといった特徴がないのが難点ですが、
- 普段使い・料理用に伯方の塩
- 食卓塩にこれまで紹介したひんぎゃの塩のような塩を使い分ける
というのも大いにアリです。
そうすることで特徴の無さを塩の使い分けで補うことができます。
伯方の塩のメリット・デメリット…
- マグネシウムが添加された再加工塩
- ほどよい味幅がある
- 100gあたり約32円の高コスパ塩
- 発酵食~普段使い・料理用まで幅広く使える
- 汎用性はNO.1だけど、悪く言えばこれといった特徴がない
- 他の特徴のある塩と使い分けることで欠点が補える
塩の用途まとめ

今回は私が実際に使ってきた中でのおすすめを7つ紹介いたしましたが、実際にはまだまだ沢山の種類の塩が販売されています。
紹介してきたものよりももっと高価であったり、希少価値の高い原料や製法で作られる塩も沢山ありますが、タイプによって適した使い方があるのは変わりありません。
なのでどんな塩を使うにしても、塩の特徴に合った使い方をした方が塩の効果がより発揮されます。
おすすめは使い分け

紹介の途中で触れましたが、私のおすすめは
- 【普段使い】伯方の塩+【食卓塩】ひんじゃの塩
- 【肉料理】デボラ湖塩+【スープ】カンホアの塩
といった使い分けがおすすめです。
面倒に感じるかもしれませんが、場所を分けて保存すれば混ざることないですし、
使うほどに塩の特徴がよく感じられて面白いですよ。
参考になれば嬉しいです(^^)



