麹をイチから作ることはそこまで難しいことではありません。
ただし、麹を保温する道具がどうしても必要です。
(道具の詳細はこちらをご参考ください▼▼▼▼▼)
【参考】【1キロ以上の製麹】自宅での麹の造り方【第1回 道具編】
一番のネックは保温
保温をどうするかが自家製麹の一番のネックです。
上のやり方では電気毛布と食器洗いカゴを活用した作り方を紹介していますが、
いきなりあれこれ道具を揃えるのはためらいもあると思います。
そこで今回は手軽に保温機能が使えるヨーグルトメーカーを利用した自作麹の方法を紹介します。
ヨーグルトメーカー以外にも、30℃前後の保温が可能なレンジや炊飯器をお持ちならOKです。

ヨーグルトメーカーで麹を自作するメリットは以下の3つ。
メリットの詳しい内容は以下でもお伝えします。
発酵食に興味ある方、麹を自作して料理に活用したい方などぜひ参考にしてみてください。
▼▼▼▼▼この記事を書いた人▼▼▼▼▼
メリット①:日中に家を空けても大丈夫
ヨーグルトメーカーの温度設定は大体がデジタル設定で細かい温度管理が可能です。
そのため温度の微調整が不要でなので張り付いて見守る必要がありません。
そのため日中に家を空けても問題なく麹をつくりことができます。
日中をずらした作業スケジュール
麹の手入れと時間もスケジュール表にまとめたのがこちらです。
仕事や用事で日中家を空けても作れるように、作業時間は朝と夕方に来るようにしました。

作業が朝・夕方・夜にくるように調整してあります。
多少時間と温度がズレても大丈夫
先にお伝えすると、
時間をキッチリ守らないと失敗!…なんてことは全くありません。
時間はあくまで目安ですので、1・2時間ぐらい作業時間がズレても大丈夫です。
不思議なもんで経験上、それくらい大らかにやった方が意外とうまくいきます。
メリット②:キッチンで作れる
麹屋さんなど麹のが麹を造るには、専用の部屋で麹を作ります。
専用の麹部屋は麹室(こうじむろ)と呼ばれていて、麹菌の育成に適した温度・湿度に調整した部屋のことです。

この麹室をヨーグルトメーカーで代用します。
キッチンの隅にヨーグルトメーカー分のスペースを確保できればOK。
場所を取らなくて済むのもメリットのひとつです。
キッチンに収まる+細かい保温機能ができるのが、ヨーグルトメーカーの大きなメリットです。
メリット③:使いたい分だけの麹が作れる
今回紹介する方法で一度にできる麹は、大体多くて400~500gくらいです。
洗う前のお米でいうと3合分くらい。
もっと少なく1~2合からでもOKです。
実は麹にも鮮度がある

実は麹にも鮮度があり、鮮度のいい麹を使った方がおいしい麹食品に仕上がります。
出来立ての麹は栗のような香りがして、味もほっこりとした甘さが特徴です。
しかし生鮮食品同様、麹も時間の経過とともに味・香りが少しずつ損なわれます。
ヨーグルトメーカーで麹を自作すれば自分の使い切りたい量を狙って造れるので、出来たての麹を塩麹や甘酒に使えます。
出来たての生麹で甘酒や塩麹を作ると、明らかに味が変わります。
では、さっそく麹を造っていきます。
ヨーグルトメーカーで麹を自作
- ヨーグルトメーカー
- 蒸し器
- 種麹
- お米 2.5合
- 蒸し布 1枚
- しゃもじ
- 広めのまな板
- バット
- ボウル
- 茶こし
- エタノールスプレー(消毒用)
- 清潔なふきん 1枚
ヨーグルトメーカーはYAMAZENのYXA-100
今回使うヨーグルトメーカーは、YAMAZENのYXA-100です。
温度管理がめちゃ楽になる
温度管理にはヨーグルトメーカーの保温機能を使います。
これがヨーグルトメーカーを使う一番の目的といってもいいでしょう。
48℃を超えると菌が死滅
ただし、麹は48℃を超えると自身の熱で死滅するので、念のため温度計を挿して数時間おきに温度を確認してください。
温度計は何度も見ることになるので、表示は大きい方が絶対いいです。
私が使ってるのはシンワ測定のG-2防水型。
コードも長くて扱いやすく、温度センサーも2つあるので片方は室温用にできるので使い勝手良好です。
温度計はコード式で、表示が見やすく大きいのが便利です。
1日目6:00ー 米洗い
お米は研がず、優しく混ぜるように洗います。
何度も水を換えて、水のにごりをきれいに取りましょう。
その後水に浸けます。

夏場なら3~5時間、冬場なら8~10時間程度が浸ける目安です。
水に浸けたらザルでしっかり2時間以上水を切り、冷蔵庫で保管します。
水に浸けるのも大事ですが、水切りの時間をしっかり設けるのも大事なポイントです。
水気が米に残ってると蒸し米がベタつく原因になります。
【参考】お米がベチャっとするのは力の入れすぎ?ベタつきを防ぐ正しいお米の洗い方
蒸し器は鍋と丸網で代用
今回は蒸すお米が少量なので、せいろよりもっと手軽な鍋を使います。
鍋に脚付きの蒸し器を敷いて浸からない程度に水を張り、中火で30分蒸し上げ。


空焚きにならないよう十分気を付けて下さい。
蒸し器が無ければ炊飯器でもできますよ。
【参考】お米を蒸すにはどれが便利?せいろ・鍋・圧力鍋・炊飯器をそれぞれ比較
18:00ー 蒸し・種切り
蒸しあがったお米を広めのまな板に広げ、しゃもじでほぐして粗熱を取ります。

40℃くらいになったら薄く広げて種切り。

お米をひっくり返して裏面も種を切ります。
最後によく混ぜて、ヨーグルトメーカーの容器に入れます。

ヨーグルトメーカーを33℃にセットして、24時間保温。
以降は設定温度を触らなくてOK。保温が切れたらもう一度ONにしておきます。
温度計を挿して目安温度になるようにしましょう。

指定した温度で保温してくれるので、ホントに心強いです。
2日目 7:00ー 床揉み
2日目は床揉みから。
バットに広げ、よくほぐして酸素を送ります。
寒い時期は温度が下がりすぎないよう手早くやる必要があります。

18:00ー 切り返し
夕方になったらもう一度よくほぐして酸素を供給します。

ここからは発酵熱でどんどん温度が上がり、容器に水滴が溜まりやすくなります。
水滴が溜まらないよう、フタを外して清潔なふきんをかけます。

22:00ー 仲仕事
このあたりからお米同士が固まり始めるので、しっかりほぐしておきます。
温度が上がりすぎる様なら保温スイッチは切って大丈夫です。

3日目 7:00 仕舞仕事
最後の作業です。
麹自身の発酵熱でどんどん温度が上がります。

麹の温度が上がるのは、発酵熱で麹菌が旺盛に繁殖している証拠です。
温度が上がりすぎる場合はヨーグルトメーカーから出して常温で置きます。
ふきんはかけておきましょう。
48℃を超えないようにだけ注意です。

それでも温度が止まらない場合は…
ヨーグルトメーカーから出しても、温度がぐんぐん上がって止まらなくなることがあります。
そんな時は容器を平たいバットかタッパーに替えて、お米の厚さが薄くなるよう盛り直してあげてください。

※上の画像は黒麹を仕込んだ時のものなので少し色が黒くなってます

厚みがあるほど熱がこもって温度が上がりやすくなりますので、薄く盛って熱を分散させるイメージです。
乾燥防止のため濡れタオルを上からかけてあげると、麹が乾いてカリカリにならずに済みます。


- 厚く盛る→温度と水分がこもりやすい
- 薄く盛る→温度が上がりづらく、水分が飛びやすい
慣れてきたら厚みを利用して発酵熱をコントロールしてみましょう。
22:00~24:00 出麹
栗のようなほっこりと甘い味と香りが出てきたら、自作麹の完成です。


麹菌の菌糸がしっかり出ていて、ぎゅむっと詰まってます。


バットによくほぐした麹を広げて、荒熱が取れたら冷凍庫で保管。


保存する場合は冷凍庫に入れ、2か月程度で使い切りましょう。
以上がヨーグルトメーカーでの麹造りでした。
道具の清潔具合にだけ気を付ければ、意外と簡単に麹が造れるのでぜひ参考にしてみてください。
ここがよく分からないなど疑問・ご質問あれば、コメント欄にてコメントお待ちしてます。









【追記】…
2022年からYXA-101へバージョンアップされました。
フタの形が改良され、500mlの紙パックがそのまま入るように。
その他の基本性能は以前と一緒です。