自宅で製麹

友麹法って?市販の麹で麹が作れるけど使い回しはオススメしない理由

麹を作るには麹菌の種となる種麹が必要です。

種麹とは麹菌を米などの穀物にしっかりと繁殖させたもので、そこから出される麹菌の胞子を振りまいて麹を作るいわば麹の原料です。

実際の種麹はこのようなボワボワとした胞子に覆われています。

種麹の様子

実は種麹を販売している会社は全国で7社だけと意外に少なく、ネット通販で入手するのが一般的です。

ですが、実は種麹を使わずに市販の麹を使っても麹を自作することが可能です。

友麹法という作り方で、わりと簡単かつ手軽に麹を増やせる方法なので麹を自作する時に重宝します。

ただし、2度3度と麹を使い回すのはオススメしません

この記事では友麹法の作り方注意点、そして麹の使い回しをオススメしない理由について紹介します。

友麹法で使う麹

乾燥麹でも作れる

麹を混ぜ込むことで作る友麹法を紹介

麹には意外にも乾燥麹が使えます。

乾燥麹は水分を飛ばして保存性を高めていますが、加熱処理はされていないため麹菌は失活せずに生きています。

もちろん生麹でもOKです。

せいぎくいん

私がネット通販でよくオススメするのは卑弥呼醤院さんの自然栽培米麹です。

40年以上無農薬栽培の田んぼで育ったお米で作る麹なので、自然栽培特有の味の伸び・柔らかさがあり、甘酒や味噌の食味が格段に上がるのが特徴。

もちろん今回の友麹法では生麹であれば他のものでも構いませんが、ぜひ一度試してもらいたい麹です。

取り寄せの注文や到着までのタイムラグがなくなる

種麹の入手方法は基本的にネット通販です。

そのため注文・入金・発送に時間がかかりますが、乾燥麹なら大抵のスーパーで手に入ります。

せいぎくいん

伊勢惣さんのみやここうじは大概のスーパーで売ってるので、手軽に揃えられてありがたいです。

市販の麹で作る友麹法

通常の麹は蒸し米に種麹を振りかけて麹菌を繁殖させますが、友麹法では種麹の代わりに出来上がった麹を蒸し米に混ぜ込んで麹菌を繁殖させるやり方です。

作り方は至ってシンプル、種麹を振る工程の代わりに乾燥麹を混ぜるだけです。

麹の詳しい作り方はこちらをご参考ください▼▼▼▼▼

お手軽+日中家を空けてもOK。ヨーグルトメーカーで麹を作る 【タイムスケジュールも一覧にして紹介】

友麹法での麹作り

材料:

  • 米 2.5合
  • 乾燥麹 50~100g (今回はみやここうじ)

道具:

  • ヨーグルトメーカー
  • 温度計
  • バット

2.5合分のお米を洗って蒸し、人肌に冷めたらよくほぐした麹を混ぜ込みます。

蒸し米と乾燥麹

麹は50gくらいで足りますが、不安であれば少し多めに混ぜ込みましょう。

蒸し米と乾燥麹を混ぜる

蒸し米についてはこちらもご参考ください▼▼▼▼▼

お米を蒸すにはどれが便利?せいろ・鍋・圧力鍋・炊飯器をそれぞれ比較

あとはヨーグルトメーカーにセットして、通常通りの手入れを行って48~52時間後に完成です。

ヨーグルトメーカーにセット

完成した麹がこちら▼▼▼▼▼

せいぎくいん

見た目は種麹で作った麹と全く変わりません。

香りも良好です。

友麹法の注意点

ここからは友麹法で作った麹の注意点について紹介します。

使い回しはコンタミを起こす

コンタミとはコンタミネーションの略で異物混入異物による汚染を指します。

麹の場合は菌の繁殖なので菌の混入・汚染という意味です。


友麹法で作った麹を何回も使い回しをしていると段々と別の菌が混ざり、本来の麹菌に隠れて別の菌が繁殖しはじめます。

バクテリアのイメージ

そうすると何回も麹をつぎ足して作っていくうちに麹菌が別の菌に置き換わり、出来上がる麹も変質していきます。

そうなると味がおかしくなったり、食中毒の原因になりえるのは想像に易いでしょう。

つまり麹の安全性・味が安定せず、再現性が失われるのです

そのため、私は友麹法で出来上がった麹を更に使い回すのはオススメしません

せいぎくいん

2度、3度と使う回すうちに麹の変質が進みます。

ヨーグルトの種菌がいい例で、前回のヨーグルトをつぎ足してくうちにヨーグルトが固まらず、強い酸味や嫌な臭いが出てくるのと同じことが麹でも起こります。

手づくりヨーグルトのイメージ

再現性が求められるプロの世界では用いられない

私は造り酒屋に勤める人間なので酒造期には沢山の麹を作りますが、毎回必ず種麹を使って麹を作ります。

天候の影響をもろに受けるお米はその年によってコンディションは異なるのが当たり前です。

その中で酒屋は目標の酒質になるよう調整しつつ、お米をお酒へと造り変えていきます。

その中で年によってバラバラの酒質にならないようにするには再現性というのが非常に重要なので、再現性が薄れていく友麹法は採用しません

造り酒屋の麹

再現性を求めるならやはり麹屋さんの種麹

稲作の世界でも”3代違えば別品種”と言われており3世代以上交配と生育を繰り返すと、本来の品種とは別の特性が発露し、元の品種とは全く異なる性質を持つ稲が生まれます。

菌の世界でも同じことが起こるため、菌の特性を維持するには菌を選別・培養・保存する専門の知識と設備が必要となります。

麹の世界でそれを担ってくれているのが種麹屋さんです。

菌の培養イメージ

菌は交配と繁殖を繰り返すと自然と変質していくので、本来の菌株を保存して培養・供給してくれる種麹屋さんは麹に関わる人達にとって非常にありがたい存在だと言えます。

まとめ

友麹法のメリット:

  • 市販の乾燥麹を使って手軽に麹を作ることができる
  • 少量を使いたい分だけ作るのに向いてる

注意点:

  • 使い回すうちにコンタミが起こる危険がある
  • 麹の味と安全に再現性が無くなる

友麹法はとても手軽で容易にできる方法なので知っておいて損は無いと思います。

ただし、麹の使い回しには菌の変性が生まれてくる危険があるのでその点をぜひ覚えておいてください。

麹に関する小ネタや小ワザはぜひこちらもご覧ください▼▼▼▼▼

味噌や醤油麹の旨味を増やす自作麹の小ワザ「三日麹」って? こんにちわ。製麹員(@jitakuseigikuin)です。 今回は自作麹の小ワザ「三日麹(みっかこうじ)」を紹介します。 ...
「サバケ」ってなに?麹作りに超重要な蒸し米のサバケの話 こんにちわ。製麹員(@jitakuseigikuin)です。 米麹を作る時、お米の蒸し具合ってめちゃくちゃ大事です。 ...
お米がベチャっとするのは力の入れすぎ?ベタつきを防ぐ正しいお米の洗い方 こんにちわ。製麹員(@jitakuseigikuin)です。 いきなりですが、お米は「研ぐ」って教わりませんでしたか? ...