発酵のあれこれ

一般的な黄麹との違いは?初めて黒麹を作ってみた話

こんにちわ。製麹員(@jitakuseigikuin)です。

2021年5月から数麹屋三左衛門さんから黒麹の種麹が発売されました。

ずっと気になってたので先日公式サイトより購入。

シルバー&ブラックかっけぇ…。

私自身は仕事でも黒麹は見たことも触ったことも無いので、どんな麹ができるかワクワクです。

黒麹ってなに?

クエン酸を多く生成する麹

ざっくり言うと、黒麹クエン酸を多く生産する麹です。

主に焼酎や泡盛で用いられます。

対して、市販の麹・麹製品に一般的に使われる黄麹はクエン酸をほとんど生成しません。

せいぎくいん

黒麹と比べると、黄麹っていうほど黄色くないんですけどね。

黒麹が世に出てきたのにもクエン酸の高産性が関係しています。

黒麹のルーツ

黒麹のルーツは沖縄の泡盛にあります。

1910年に鹿児島工業試験場の鑑定官であった河内源一郎という方が河内黒麹菌(学名:Aspergillus awamori アスペルギルス・アワモリ)として初めて黒麹が世に出されました。

河内先生が鹿児島の焼酎蔵で技術指導されてた頃、鹿児島ではその温暖な気候ゆえ焼酎のもろみが腐ったり、質の悪い焼酎に仕上がったりと問題が多かったそうです。

そこで河内先生は同じく温暖な気候で作られる沖縄の泡盛は腐造に強いことに着目し、泡盛の麹から黒麹菌を分離・培養します。従来の焼酎で使われた黄麹には無い、黒麹のクエン酸の防腐作用を利用することで鹿児島の焼酎造りを大きく発展しました。

せいぎくいん

焼酎でよく聞く白麹は黒麹の突然変異株。これも河内先生によって発見されました。

黒カビとは別物

黒麹は時として黒カビと混同されることがあります。

確かに麹菌はカビと同じくアスペルギルス属ですが、性質や人体への有害性は全く異なります。

原因として、当時のAspergillus awamoriに全く別物である黒カビのAspergillus niger(アスペルギルス・ニガー)の混在が認められたことが挙げられますが、現在では明確に分離・分類がされています。

名称も黒カビとの混同を避けるため、2013年にAspergillus lucuencis(アスペルギルス・リュチュエンシス)に統一されました。(リュチュエンシスは「琉球」が由来とされてます)

なので現在の黒麹は、黒カビとは異なる安全な麹菌として用いられてます。

せいぎくいん

黒麹に限らず、麹とカビは全くの別物なので安心して使えますよ。

いつも通りに製麹

ではでは、さっそく黒麹を作ります。

今回麹ができるまでざっくりと進めますが、作り方はいつもと一緒です。

詳しいやり方はこちらからどうぞ↓

お手軽+日中家を空けてもOK。ヨーグルトメーカーで麹を自作【タイムスケジュールも一覧にして紹介】 こんにちわ。製麹員(@jitakuseigikuin)です。 麹をイチから作ることはそこまで難しいことではありません。 た...

18:00ー蒸し・種切り

お米を蒸す→人肌程度に冷ます→種切り。

種麹は灰色よりの黒って色ですね。

サラサラの粒子タイプの種麹なので、茶こしは使わず紙で散らします。

よく混ぜてヨーグルトメーカーにセット。

7:00ー床もみ

バットに空けてよくもみほぐします。

まだ目に見える変化はありません。

18:00ー切り返し

再びもみほぐします。

ちょっと白い胞子が見えてきました。

最初から黒い胞子が出るわけじゃないようです。

22:00-仲仕事

仲仕事です。

まだ白いです。

黒くなる…よね?

7:00ー仕舞仕事

最後の手入れです。

きましたね?これ(゚Д゚*)

灰色がかった黒になってきました。

温度が止まらなくなってきたので、ここからはバットに薄く広げます。

少し乾いてきたので、上から濡れふきんをかけて保湿。

22:00-出麹

黒麹の完成!

かなり黒いです。

味は…ホントに酸っぱい!

さっそく麹を試食します。

…ホントだ!酸っぱい!

レモンなどに代表される、クエン酸の特徴である柑橘系の爽やかな酸味。

もちろん頭では分かってるつもりでしたが、初めて見て触れて味わってみるとやっぱり心動くものがありますね(*´▽`*)

今回は黒麹の紹介と作るとこまででした。

紹介できるような活用方法が見つかり次第、今後記事にしていきますね。

とりあえず、黒麹を塩麹にしてらっきょうを漬けてみます。おいしくなるとよいですが…