調理のあれこれ

魚を捌く時は真水?塩水?食中毒を防ぐ正しい洗い方

以前、塩振りについて記事にまとめました。

塩振りは熱凝固の促進・臭みを取るメリットがありますが、魚を捌く時には塩の扱いに少し注意が必要です。

生の魚介類の表面には塩を好む細菌がいるため、場合によっては食中毒の原因にもなり得ます。

今回は魚介類の下処理時の、塩水の使い方についてまとめました。

結論から言うと、塩水で洗うのはNG

結論から言いますと、生の魚介類を塩水で洗うのはNGです。

これには腸炎ビブリオという食中毒の原因となる細菌が関係しています。

この腸炎ビブリオという微生物は生魚の表皮などに付着していて、塩分濃度3~5%の環境を好み、繁殖します。

そのため下処理前の魚介類を塩水で洗うと食中毒のリスクを高めることになるのです。

食中毒イメージ

食中毒と聞くと「え、生の魚ってそんなに怖いの?」「触っても大丈夫なの?」と思われる方もいるかもしれませんが、ちゃんと対処法があります。

真水で洗う

真水で生の魚介類を洗うと、浸透圧で細菌の細胞を破裂させて腸炎ビブリオを死滅させることができます。

まずは魚全体を真水で洗った後、傷みやすいエラや内臓を取り出してから再び真水で洗いましょう。

そうすることで表面の細菌だけでなく、魚の体内の細菌も撃退することができます。

魚を捌くイメージ

また、腸炎ビブリオは4℃以下になると活動が急激に弱まるので、魚を買って持ち帰る間は氷で冷やして運ぶことで繁殖を抑えられます。

魚を冷やすイメージ

夏場は特に冷蔵管理するように気を付けましょう。

真水で洗うポイント

  1. 真水で洗うと浸透圧で細菌を撃退できる
  2. 表皮を真水で洗う→エラと内臓を取る→再び真水で洗う
  3. 冷蔵保存で細菌の繁殖を抑える

貝の砂抜きは、真水で洗ってから塩水へ

貝類の場合は貝を長時間真水に浸けると貝が死んでしまいます。

そのため貝の表面を真水でよく洗い、表面の微生物を撃退してから塩水に浸けて砂抜きをします。

ちなみに貝の砂抜きをする際は平たい容器で貝同士が重ならないように置くと効率良く砂抜きができます。

せいぎくいん

貝同士が重なってると、吐いた砂を他の貝が再び吸ってしまいます。

貝の砂抜きイメージ

また、生息していた砂の中のように暗い場所に置くと活性が増して、より多くの砂を吐き出すようになります。

真水で魚を洗うデメリットもある

真水で洗うことで微生物を撃退するメリットがわかりましたが、反面デメリットもあります。

洗いすぎると旨味が逃げる

魚に含まれるたんぱく質のひとつミオゲンは水に溶けやすい性質を持ちます。

魚の表皮に真水をかける分には問題ありませんが、魚の切り身の面に真水を流しすぎるとミオゲンや旨味成分を流失させます。

※…ただし、真水洗いは生臭みの成分トリメチルアミンを流す効果もありますので、鮮度の落ちた切り身には流水で3秒程度流し洗いするという裏技もあります。

が、あくまでも流し過ぎは禁物です。

真水洗いの後はしっかり水気をふき取る

水気が残っていても切り身の面から旨味が逃げるので、真水洗いの後は水気をよく拭きとるようにしましょう。

開きイメージ

まとめ

以上のことをまとめてみましょう。

  1. 塩水洗いは微生物の繁殖を助けてしまうのでNG
  2. 真水洗いの浸透圧で微生物を撃退
  3. 貝の砂抜きは真水で洗ってから塩水に浸ける
  4. 旨味が逃げるので真水で洗いすぎるのもNG

このような感じになります。

魚を捌く際はあくまで下処理ですので、使う塩はリーズナブルな塩が良いでしょう。

そして料理には用途に合わせた塩を。

例えば白身魚であればあっさりして和食に良く合う天日塩であったり、

脂乗りの良い赤身魚には風味の強い岩塩などと使い分けると調理の幅が広がります。

せいぎくいん

今回の記事が生の魚介類を扱う際の参考になればうれしいです。

天然塩?精製塩?塩の表示はどこを見ればいい?知っておきたい塩の見分け方 こんにちわ。製麹員(@jitakuseigikuin)です。 当ブログは麹の発酵食を紹介するブログですが、味噌や塩麹の10%以上...
自家製味噌や漬物には精製塩?天然塩?押さえておきたい塩の選び方のポイント 発酵食では塩を多用します。 味噌に限らず醤油、塩麹にぬか漬け…これらは安全に発酵が進むよう塩の殺菌作用を利用しているためです。 ...