本みりん・みりん風の違いは?みりんは「さしすせそ」のどこで使う?
調味料の「さしすせそ」ってよく聞きますよね。
よく言われる料理のキホンですね。
でも、急にというか、ようやくというか、
「あれ?みりんは?」
って最近になって気づきました。
ということで、今回はみりんが「さしすせそ」にどこに入るのかを検証します。
結論から言うと
- 「さしす」と一緒に入れる
- 最後に入れる
この2パターンを覚えておけば間違いありません。
理由はくわしく解説しますので
まずはみりんの調味料としての特徴をみていきましょう。
▼▼▼この記事を書いた人▼▼▼
みりんの特徴①:煮崩れを防ぐ
まずは調味料としてのみりんの特徴についてみていきましょう!
みりんは
・もち米
・米麹
・乙類焼酎
が原料です。
みりん風調味料と区別するために
本みりんなどと表記されています。
(みりん風調味料についても後ほど触れます。)
本みりんは酒屋さん、もしくは酒類販売免許を持つお店で買える
乙類焼酎が使われるので
約14%のアルコール分が含まれます。
高いアルコール分があり
販売には酒類販売業免許が必要です。
そのため酒屋さんなどで入手できます。
また、もち米と麹の糖化によって
・ブドウ糖
・ショ糖
・オリゴ糖
などが作られ、厚みのある甘さが特徴。
みりんの約45%ほどが糖質に相当します。
アルコールと糖が煮崩れを防ぐ
アルコールと糖、
この2つの成分にはたんぱく質を凝固させる働きがあります。
そのため、煮物の煮始めの段階でみりんを入れると食材の表面が凝固して、煮崩れを防止する効果が期待できます。
肉じゃがの煮崩れ防止にはみりんが最適
特に、じゃがいもは細胞壁が
ペクチンというたんぱく質でできています。
このペクチンは水溶性ですので
ただ煮るだけだと煮汁にペクチンが溶け出して細胞壁が壊れて煮崩れの原因に。
しかし、みりんのアルコールはペクチンの溶出を防ぐ働きがあります。
砂糖で味付けするよりも煮崩れ防止効果がさらに高まるので、肉じゃが作りには本みりんが最適です。
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みりんの特徴②:砂糖よりコク深い甘さ
みりんの糖質は主にブドウ糖、続いてショ糖・オリゴ糖であると先ほど確認しました。
対して、同じ甘味調味料である砂糖(白砂糖)の主成分はショ糖のみです。
砂糖のショ糖はサッパリした甘味であるのに対して、みりんは多種類の糖で構成されるぶんより複雑味のある甘さに感じます。
うま味の強いアミノ酸・有機酸も豊富
これも多種類の成分が混在するみりんの特徴です。
さらに、米麹の副産物としてグルタミン酸やアスパラギン酸などのアミノ酸、乳酸・コハク酸などのうま味のある有機酸が生成されます。
砂糖と比べると、みりんには複数の旨味があり、料理の味に奥深さとコクを加えてくれるのです。
みりんの特徴③:味が染み込みやすい
みりんに含まれるブドウ糖は糖の中で最も小さい糖質です。
そのため食材の細胞の隙間に入り込みやすく、味が染みやすいという特徴があります。
味をしっかり染み込ませたい煮物類にみりんは適しています。
みりんを入れるタイミングについて
調味料としてのみりんの特徴を確認しましたので、本題である「さしすせそ」の話に戻りましょう。
甘味をつけるなら「さしす」と同時
先述のとおりみりんは臭み取りの効果があり
なおかつ味が染み込みやすい調味料です。
なので「さしす」と一緒に入れるくらいでOKです。
調理の前段階で入れると、臭み取りと煮崩れ防止の効果が期待できます。
味が染み込みやすいので順番に神経質にならなくていいのが嬉しいですね。
照りとツヤなら最後に入れる
もうひとつが、最後に入れる方法です。
調理の終盤でみりんを煮詰めることで、料理に照りとツヤが出てきます。
醤油・味噌はみりん同様にアミノ酸・有機酸が豊富、そのため相乗効果で照りとツヤが出やすくなります。
みりん風調味料について
最後に、みりん風調味料についても見てみましょう。
みりん風調味料の例↓
↑味のレビューも見ることができます
みりん風調味料はアルコール分1%未満
本みりんが
・もち米
・米麹
・乙類焼酎
を発酵・熟成させるのに対して
みりん風調味料は
・糖類
・米
・米麹
・香料
などを混合して、短期間で製造したものです。
アルコール分は1%未満とほぼ含まれておらず
酒類販売免許のない小売店でも販売することが可能です。
そのため手に入りやすく
熟成を必要としないので安価で購入できます。
アルコールを含まないので臭み取りには不向き
本みりん同様に使えますが
アルコールがほぼ含まれていないので肉や魚の臭み取りには不向きです。
かわりに煮切りみりんやドレッシングなど
加熱せずそのまま使う用途に適してます。
原料 | アルコール分 | 販売業免許 | |
本みりん | もち米・米麹・焼酎 | 約14% | 必要 |
みりん風調味料 | 糖類(水あめ等)・米・米麹・酸味料など | 1%未満 | 不要 |
まとめ:適した用途とタイミングでみりんを使おう!
今回は調味料としてのみりんの特徴と
「さしすせそ」だとどのタイミングで使うのがベストかを紹介しました。
まとめると以下のとおりです↓
- 砂糖よりもうま味があり
料理にコクと奥深さが出る - 煮崩れ防止効果があり
特に肉じゃがに◎ - 使うタイミングは
「さしす」と一緒に - 最後に使って
照り・ツヤを出すのにも◎ - みりん風調味料は
加熱せずそのまま使える
みりんの特徴について覚えておくと
スムーズに調理工程の組み立てができて、いつもの料理をワンランクアップするのに役立ちます。
この記事が毎日の料理の参考になると嬉しいです!