シュワシュワしないのは大丈夫?氷砂糖を使う理由は?酵素ジュースの作り方
- 酵素ジュースに作り方について解説
- 発酵しない時の対処法
- 氷砂糖と粉砂糖の違いについて
- 食中毒・腐敗防止についても解説
最近、酵素ジュースが話題です。
加熱せずに飲むので、
フレッシュなフルーツの香りをそのまま味わえます。
特に夏場はソーダ割りがおいしいのですが、
加熱しないので腐敗には注意が必要です。
そしてよく
- 素手で混ぜたほうがいい?
- 発泡しないけど大丈夫?
という質問もよく受けます。
結論からいうと、
雑菌の入る可能性が高いので素手はおすすめしません。
また、シュワシュワと発泡しなくても失敗ではないのでご安心ください。
(その理由もよくある質問にて紹介しています)
この記事では
失敗しない酵素ジュースの作り方について解説しています。
安全に酵素ジュースを楽しみたい人はぜひ参考にしてみてください!
▼▼▼この記事を書いた人▼▼▼
そもそも酵素ジュースってなに?
酵素シロップとは、
カットしたフルーツや柑橘類を砂糖と一緒に漬けて作るシロップのことです。
わりと昔から一般家庭で作られていて、
青梅などで作られたシロップを飲んだことがある方も多いのではないでしょうか。
炭酸や氷水などで薄めて飲むのが一般的です。
酵素はタンパク質の一種
ちなみに、
酵素ジュースの酵素って何かご存知ですか?
・酵素玄米
・酵素サプリ
・酵素ジュース
酵素と名のつく食品はいくつかありますが、いざ聞かれると答えづらいですよね?
結論からいうと、酵素は
食べ物の消化・吸収を助けるタンパク質です。
食べ物のもつ栄養素を細かく分解して、
人体により効率よく吸収できるようにしてくれます。
【参考記事↓】
酵素ってナニモノ?簡単に解説
ちなみにですが、私個人としては
酵素とかあまり気にしていません。
なぜなら酵素はタンパク質なので、
胃液で溶かされ失活(しっかつ:効力を失うこと)します。
つまり、消化を助ける酵素をどれだけ摂っても胃から先は効果を失います。
この辺については
約90年の老舗企業である大高酵素さんがより詳しく解説されています↓
…(中略)
食材のもっている酵素類は、調理の過程で使われたり壊れたりするものですし、酸性の強いところでは活性が失われ、胃酸でほとんどが破壊されてしまうものです。
仮に、腸まで通り抜けても、大きすぎて腸管から吸収されることはありません。
…(中略)
大高酵素公式ページ内 教えて!酵素のギモン より抜粋
それでも私が酵素ジュースを作る理由
でも私自身は酵素ジュースは毎年欠かさず作ります。
理由は、単純においしいから。
炭酸水で割って飲むととてもおいしくて、
特に夏場など家族にも好評です。
普通のジュースでは味わえないフルーツの味と香りに毎年作る人も多くいらっしゃいます。
加熱しないからこそ
発酵についての正しい知識と、
腐敗防止の対策はしっかり知っておきたいですね。
酵母と酵素の違いを知りたい人は
こちらもどうぞ↓
酵素ジュースの作り方
【必要な道具】
- 密閉できる耐熱ビン(容量2ℓ以上)
- ビンが入る大きさの鍋
【材料】
- お好みのフルーツ・柑橘類 500g
- 氷砂糖 550g (フルーツ1に対して砂糖1.1倍の量)
①:瓶を煮沸する
耐熱ビンを中性洗剤で洗い、水を張った鍋に入れて火にかけます。
湯が沸いたら5分~10分程度煮沸消毒をして、火を止めてください。
いきなり湯に入れると、耐熱ビンとはいえ割れることも。
必ず水から入れて湯を沸かしましょう。
ヤケドに注意しつつビンを取り出し、しっかりと自然乾燥させます。
フルーツは何でもOK
お好みのフルーツを適度な大きさにカットします。
フルーツは何でもOKですが、
砂糖に漬けることを考えると
・レモン
・スダチ
・パイナップル
など酸味のあるものを選ぶと味のバランスが良くなります。
ブレンドしてもOK
おはようございます
— 自宅製麹員 (@jitakuseigikuin) June 28, 2022
レモネードが終わったので新しいシロップ使います
メロンと八角のあまーいいい香り(*´﹃`*) pic.twitter.com/ce7Oyi5JcT
単品でなく複数のフルーツをブレンドするのもアリです。
特にメロンやマンゴーなど、
酸味が少ないものは酸味が強いのと一緒に入れるとバランスが良くなりますよ。
フルーツは生の方が風味がいいですが、時期などで手に入らない場合は冷凍でもOKです↓
②:フルーツをカットする
キウイやパイナップルなど、皮をむくものは通常通り皮をむいてカットします。
レモンやリンゴ、ナシなどを皮ごと使いたい場合は、50℃の湯でヒートショックを加えると腐敗防止に役立ちます。
ヒートショックについてはこちら↓
③:果実と氷砂糖を交互に入れる
乾かしたビンに底からフルーツ→砂糖→フルーツ→砂糖と交互に入れていきます。
必ず一番上が砂糖になるようにしてください。
重しの効果と、雑菌が混入するのを防いでくれます。
④:定期的によく混ぜる
フタをして、砂糖が溶けきったら完成です。
だいたい1週間~1カ月ほどかかります。
溶けきるまでの間は
たまにビン全体をゆすってあげてください。
砂糖が溶けるのを助け、カビや腐敗の防止になります。
混ぜる頻度は使う砂糖の種類で変わります。
以下で氷砂糖と粉砂糖の違いについて紹介します。
氷砂糖はたまに混ぜる
氷砂糖は見ためのとおり粒が大きく、溶けるのに約1ヶ月ほどかかります。
たまに(週に1回程度)様子を見て、
フタを閉めたまま容器ごとゆすってよく混ぜましょう。
溶けづらいぶん完成までに時間がかりますが、ゆっくりと果実のエキスをシロップに溶かし出すことができます。
青梅や柑橘類など、皮が固い果実のエキスが溶け出るまでに時間がかかります。
なので氷砂糖でゆっくり溶かしてあげると
ちょうどいい塩梅のシロップに仕上がります。
粉砂糖は1日1回混ぜる
氷砂糖ではなく粉砂糖を使う場合もあります。
粉砂糖の方が氷砂糖より粒が小さく、早い場合は1週間程度で溶け切って完成します。
そのため皮の厚い青梅や柑橘類よりかは皮をむいてカットしたフルーツの方が相性が良いです。
粉砂糖は底に溜まった砂糖をしっかり混ぜる
たただし、粒が小さいので容器の底にたまりやすいのが欠点。
砂糖がしっかり混ざらないと腐敗の原因にもなります。
そのため、容器の底まで届くスプーンで1日1回しっかり混ぜるようにしましょう。
スッキリとした上白糖・グラニュー糖
上白糖もグラニュー糖も、90%以上がショ糖です。
甘さはスッキリとしてクリア、フルーツの味と香りをストレートに楽しめます。
コクのあるてん菜糖
てん菜糖はミネラル分が多く、コクやうま味を残した砂糖です。
そのためシロップの出来もコクがあり、ラム酒や黒蜜のような風味が楽しめます。
この辺はお好みですので、
使いたい砂糖を使いましょう。
酵素ジュースでよくある質問
「こんなときはどうしたらいい?」
とよく聞かれる質問をまとめました。
気になるところをクリックして参考にしてみてくださいね。
- Q:手で混ぜたほうがいいと聞いたけど本当?
-
A:おすすめはしません。
酵素ジュースの作り方では、よく素手で混ぜる作り方が紹介されています。
手の表面にいる乳酸菌や天然酵母菌などをシロップに加えるのが目的です。
たしかにそれらの菌が味や香りを良くしてくれる効果はありますが、いっぽうで雑菌の混入も危険性もあります。
実際、2015年には消費者庁が酵素ジュースの「素手で混ぜて作る工程」を衛生上不適切としてレシピを自ら削除したことがあります。
そのため先述したように、
氷砂糖であれば週に1回程度カビがないことを確認して容器をよくゆすって全体を混ぜ込んであげればOKです。フタを開けて混ぜる必要はありません。
粉砂糖の場合、こちらも先述したように容器の底に溜まりやすいので、底まで届く長さのスプーンで1日1回よく混ぜましょう。
スプーンも食中毒を防ぐため毎回中性洗剤で洗い、しっかり乾かしてから混ぜてください。
(気をつけたい菌についてはこちら▼)
- Q:酵素シロップにカビが生えたら?
-
A:生えたのが一部分なら挽回できます。
加熱すればより安心です。こまめに混ぜておけばカビが生えることは少ないのですが、もしカビが生えてしまっても全体に回っていなければ挽回できます。
カビが生えた部分をスプーンですくい取って、食品用アルコールかホワイトリカーをスプレーして全体をよく混ぜ込みましょう。
その後しばらくはこまめに様子を見て、しっかり全体を混ぜ込んであげましょう。
砂糖が溶けたあと、においに異常がなければ大丈夫です。
ちょっと心配だな…という場合はシロップを65℃以上に加熱すればOKです。
残った果肉もジャムやマーマレードなどしっかり加熱すれば食べられます。
- Q:シュワシュワと泡が出てきたけど大丈夫?
-
A:酵母菌が繁殖している証拠、いい香りなら大丈夫です。
酵母菌は基本的に害はなく、炭酸ガスとともに酢酸イソアミル、カプロン酸エチル、イソアミルアルコールといったフルーツ様の香りを生成するので発酵食特有の良い香りが付与されます。
そのためにおいに異常がなく、炭酸のツンとする刺激とともに良い香りがしているなら問題はありません。
- Q:逆に発泡しない時はどうすればいい?
-
A:泡がでない場合もありますが、問題ありません。
冬場など気温が低い時に酵素シロップを仕込むと、泡が出ずに発酵しない場合もあります。
ですが、発酵していなくても品質に問題はありません。
酵素と酵母菌発酵は別の話です。
発酵が起こらないことで味や香りが大きく損なわれるようなことはないのでご安心ください。
酵素ジュースの保存方法について
基本は冷蔵保存
完成した酵素ジュースにはまだ酵母菌や乳酸菌が生きている状態です。
そのため常温で保存すると発酵が進んで品質が安定しないので、基本的には冷蔵保存がおすすめです。
ザルでフルーツとジュースを分けたあと、ビンなどに移すと冷蔵庫の場所もとりません。
長期保存なら65℃以上に加熱
さきほどから触れていますが、65℃以上に加熱することで酵母菌や乳酸菌、そしてフルーツに含まれる酵素などが全て失活します。
・長期保存をしたい
・味をこれ以上変えたくない
という場合には加熱がおすすめです。
固形のフルーツも、マーマレードやジャムとして同様に加熱してあげるといいでしょう。
まとめ:酵素は目的じゃなくて手段のひとつ
冒頭でも触れましたが、
私自身は酵素についてそこまで重要だとは思っていません。
酵素はあくまで食物の栄養素を分解したり、吸収を助けるものです。
酵素は目的ではなく、
おいしく食べて健康でいるための手段のひとつです。
酵素や発酵というワードにギモンを持つ人も少なくありませんが、
「おいしそうだな」とか
「作ってみようかな」って
ちょっとでも興味がわいたら、ぜひ作ってみてください。
この記事がおいしく楽しい酵素シロップの参考になれば嬉しいです!
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