味噌作り中納豆を食べてしまった時の対処法は?
味噌作りの日にうっかり食べちゃったんだけど、大丈夫かな?
結論からいうと、
しっかり衛生管理ができていれば
味噌作り中に納豆を食べても大丈夫です。
ただし、菌は目に見えないので
気をつけるに越したことはありません。
せっかく作った味噌が
「納豆菌に汚染されて食べられなくなった…」
なんてことは絶対に避けたいですよね。
味噌作りに興味がある人はこちら↓
そこでこの記事では
について紹介します。
筆者自身も長年発酵食作りに携わり、納豆を避ける理由について学んできました。
やみくもに納豆を食べないとするよりも、納豆菌の性質をキチンと知っておくことで対策も立てやすくなります。
しっかり対策できていれば、味噌作り失敗の不安も感じることもありません。
ぜひ参考にしてみてくだい!
▼▼▼この記事を書いた人▼▼▼
納豆が避けられる理由
納豆が避けられる理由には
納豆菌が非常に殺菌しづらい菌だというのが挙げられます。
納豆菌が殺菌しづらい理由①:熱に強い
納豆菌は熱湯をかけても殺菌できません。
納豆菌は熱に非常に強く、
殺菌するには120℃で20分以上加熱する必要があります。
そのため煮沸消毒では温度が足らず、道具はもちろんのこと、大豆やお米など原料そのものに付着していた納豆菌が繁殖することあります。
納豆菌が殺菌しづらい理由②:酸に強い
納豆菌は酸にも強く、
人の胃液にも耐えることができます。
人の胃液はpH1~2と非常に強いのですが、これに耐えられるとは驚きですよね。
納豆菌が殺菌しづらい理由③:自然界や空気中に普通にいる
そして、納豆菌は自然界・空気中のたるところに生息しています。
伝統的な製法の納豆をワラに巻きますが
あれはワラに付着した納豆菌を茹でた大豆につけることで大豆を納豆へと発酵させるためです。
納豆の作り方はこちらをどうぞ↓
納豆菌による悪影響について
納豆菌による悪影響は発酵中に起こります。
例えば味噌の仕込み中に納豆菌が混入すると、異臭など味を落とす原因に。
また、米麹をつくる際に納豆菌が混入すると、スベリ麹という納豆特有の粘りが出てしまい、麹菌の繁殖を妨げます。
(実際にスベリ麹を起こした様子はこちら)
麹そのものの風味はもちろん
スベリ麹を使った味噌や漬物に味は良くありません。
そのため麹を製造する酒蔵や味噌蔵などでは納豆を禁止する会社も数多く存在します。
私も職場(酒蔵)に納豆菌を持ち込まないよう、私生活でも食べない時期があります。
「酒蔵に納豆を持ち込んではいけない」
この話はわりと有名ですので、これが個人の味噌作りにも広く浸透いているようですね。
味噌作り中の納豆対処法
納豆菌は殺菌しづらく、自然界や空気中に普通にいる菌ですので、根本から断つのはプロでも至難のワザです。
しかし、味噌作りにおいていくつかの対処法はあります。
- 道具は中性洗剤で洗い、乾かす
- 減塩をしない
- よく混ぜる
- 酒粕でフタをする
①:道具は中性洗剤で洗い、乾かす
道具は清潔なものを使うのが重要です。
納豆菌の場合熱湯殺菌が効かないので
中性洗剤を使い、自然乾燥させた道具を使いましょう。
香料ナシ、手にやさしい
中性洗剤はこちら↓
そして補助として
・食品用アルコール
・キッチンハイター(塩素)
を併用すると安心です。
食品に直接スプレー可能↓
アルコールの効果的な使い方はこちら↓
②:減塩をしない
塩分を気にして
味噌の塩を減らすのはおすすめしません。
塩には殺菌効果があり、
適した塩分濃度を保つことで味噌を納豆菌やカビから守る効果があります。
味噌の塩分を気にされる人は
塩の種類を変えてみるのがおすすめです。
ミネラル豊富で味のしっかりした天日塩を使うと、少量でも大きな満足感が得られるので、結果的に塩分摂取量を抑えることができます。
塩の選び方はこちら↓
③:よく混ぜる
味噌を仕込む際に、
大豆・麹・塩をしっかり混ぜるのも
納豆菌対策には有効です。
特に塩が全体に混ざるのが重要で、
混ぜるのが不十分だと塩分がうすい部分ができてしまい、そこから納豆菌をはじめとした雑菌が繁殖します。
大豆を潰してよく混ぜるのは力仕事ですが、ここをしっかりやっておくことで安全でおいしい味噌作りができます。
④:酒粕でフタをする
仕込んだ味噌を酒粕でフタをするのも有効です。
納豆菌は好気性(繁殖に酸素が必要)の菌ですので、しっかりと密閉することで味噌の中の納豆菌を抑えることができます。
酒粕に含まれるアルコールがカビ対策にもなるので一石二鳥です。
詳しくはこちら↓
まとめ:十分に納豆菌対策をして、おいしく安全な味噌作りを!
納豆菌は殺菌するのが難しく、
本業の味噌蔵や酒蔵でも持ち込まないよう食べるのを禁止する会社も多く存在します。
どうしても不安であれば、食べないというのもいいと思います。
ただし、納豆菌の性質をしっかり理解した上で衛生対策をした方が成功率は上がるし、目に見えない菌のモヤモヤを解消することができます。
今回紹介した対策をぜひとも活用してもらって、安全でおいしい手作り味噌を楽しんでくださいね。
もっと詳しく発酵について
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