お米がベタつく理由は?蔵人が教えるベタつきを防ぐ正しいお米の洗い方
こんにちわ。スタコジです。
いきなりですが、お米は「研ぐ」って教わりませんでしたか?
お米は力を入れて強く研ぐと粒が割れ、
でんぷんが溶け出してベタつきの原因になります。
酒造の世界でも、お米は「研ぐ」ではなく「洗う」といいます。
普段の炊飯器でも、水分量は目盛通りなのに炊き上がりがベチョベチョになる場合、力の入れ過ぎが原因かもしれません。
今回の記事ではお米の洗い方についてまとめました。
▼▼▼この記事を書いた人▼▼▼
お米洗いに力は必要ない?
お米を研ぐといわれてたのは、精米機の精度が低かった昭和中期頃までのはなし。
当時はしっかり力を入れて擦り合わせるようにして、お米の表面に残った胚芽や玄米のカスなどを取り除く必要がありました。
しかし現在の精米機では精度の高い精米が可能となっており、その必要がありません。
むしろ力を入れて擦り付けることで生まれるデメリットの方が大きいといえます。
力を入れるデメリット①:お米が割れる
力を入れてお米を研ぐと、お米が割れて粒が揃わなくなります。
そうなると蒸し器や炊飯器にかけた時に割れたお米ばかりが水を吸い、形が崩れ、全体的にベチャッとした感じになります。
力を入れるデメリット②:でんぷんが溶け出す
お米のベタつきにはでんぷんも関係しています。
お米は中心部にでんぷんを蓄えていて、加熱されると糊化して粘りを持ちます。
お米が割れると、内部からでんぷんが溶け出て表面に付着します。
すると加熱でお米の表面で糊化が起こり、結果的にベタつきます。
→お米が割れる
→粒が不揃いになる
→でんぷんが流れ出る
→ベタつく
という連鎖が起こります。
ベタつきを減らすポイント
ポイントをいくつか抑えればお米の割れを防ぎ、ベタつきを減らすことができます。
ポイント①:やさしく洗う
水を張った容器にお米を入れ、やさしく擦り合わせるように洗います。
温水は使わない
水温が高いほどお米が割れやすくなるので、冬場でも温水は使わず冷水で洗いましょう。
ポイント②:最初は浄水→素早く水換え
お米は水に触れた直後が一番水を吸います。
最初に触れる水は水道水だと塩素臭があるので、浄水やきれいな井戸水などが良いです。
そして、1分以内に水を換えましょう。
最初の水が一番濁ります。
これは精米時に付着した細かい米粉の粒子で、長く濁った水に浸していると米粉ごと水を吸って糠臭くなります。
ザルを使うと水切りが簡単なのでオススメです。
ポイント③:透明な水に浸ける
水を換えて再びやさしく洗います。
ここは洗うのが目的なので、通常の水道水でも大丈夫です。
1~2分程度洗ったらザルにあけ、再び水を換えて洗う。
これを2~3回繰り返します。
吸水は40分~2時間
しっかり洗えたら水に浸けて、お米の内部までしっかり吸水させます。
ここは水を吸わせるのが目的。浄水かきれいな井戸水を使います。
水が濁らず透明になればOK。しっかり洗えてる証拠です。
普段の炊飯器のご飯なら、40分~2時間でOK。
麹用の蒸し米ならさらに長く3時間~10時間浸けましょう。
(季節の水温によって変化)
ポイント④:水はしっかり切る
吸水が終わったらザルにあけ、しっかり水を切ります。
棒を噛ませて斜めに傾けると早く水が切れます。
炊飯器で炊く場合はすぐ使えますが、麹用の蒸し米であるならできれば一晩、最低でも2時間あけてから蒸します。
吸水の水が透明だったとはいえ、お米の表面には溶け出たでんぷんがいくらか残ってる状態。
最後までしっかり水を切ることでベタつきが減ります。
以上のポイントを抑えるとベタつきのリスクを軽くでき、炊き上がり・蒸し上がりのお米の状態が良くなります。
まとめ:ベタつきを抑えるポイントは4つ
お米をベタつかせない洗い方のポイントをまとめると以下の4つです。
これをやるだけでお米の炊き上がり・蒸し上がりは格段に変わります。
ごはんのベタつきが気になる方はぜひ試してみてください。
お米の蒸し方については他の記事でも紹介しています。
ぜひ合わせてご覧ください▼