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調理tips

サバ缶は出汁に使える?ドライトマトは?意外な食材で手軽に味噌汁を作るコツ

スタコジ

味噌汁の出汁といえば、昆布と鰹節ですよね。

昆布と鰹節はグルタミン酸×イノシン酸の組み合わせ

うま味成分の代表格グルタミン酸イノシン酸グアニル酸

組み合わさることで単一で味わうよりも最大で7~8倍強く感じる相乗効果が生まれます。

昆布はグルタミン酸、鰹節はイノシン酸を多く含むので理想的な組み合わせです。

この相乗効果を利用すれば、昆布と鰹節以外でもうま味を引き出すことができます。

▼▼▼この記事を書いた人▼▼▼

スタコジ
スタコジ
自宅製麹員
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食と発酵が大好き。
1級酒造技能士(国家資格)。
食養生ジュニアコーディネーター。
発酵の知識を活かして食と不定期で発酵食のワークショップ開催。
誰でも楽しく安全に作れる発酵食をブログ“コジログ”で紹介。
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結論:出汁がなくても味噌汁は作れる

この記事では、ちょっと意外に思う食材で手軽に味噌汁を作るコツを紹介します。

たしかに、はじめから出汁を使えばおいしい味噌汁ができます。

キャンプなどのアウトドア、朝の忙しい時間など出汁がなくても手軽に作れるやり方も知っておいて損はありません。

ひいてはこの記事が毎日の味噌汁をより手軽に楽しむヒントになれば嬉しいです。

手軽に味噌汁を作るコツ3選

ポイントは3つあります。

  1. 香味豊かな味噌を使う
  2. うま味の相乗効果を利用する
  3. 食材をそのまま出汁として活用する

順にみていきましょう。

①:香味豊かな味噌を使う

市販の味噌を使う場合、加熱処理されてないものが向いてます。

加熱処理をすると常温陳列が可能になりますが、香気成分が揮発して香りは弱くなるためです。

さらに、温醸で短期間で仕上げたものでなく、発酵期間をしっかり設けたものがオススメです。

加熱処理・温醸について詳しくはこちらをご参考ください▼

【参考記事】手前味噌はなぜ自慢したくなる?自家製味噌がおいしくなる理由

自家製味噌を使うのも効果的

順調に発酵した自家製味噌は驚くほどおいしいです。

まず、大豆のタンパク質が麹によってグルタミン酸に分解されるので味噌自体が豊富なうま味を持ち、

さらに、有益菌による香り、メーラード反応によるコクが増していきます。

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自家製でも市販品でも、香味に優れた味噌ならよりおいしい味噌汁を楽しめます。

②:うま味の相乗効果を利用する

味噌汁を手軽に楽しむには、食材のうま味成分を利用します。

味噌と食材で相乗効果を作る

味噌自体にも大豆のタンパク質由来のグルタミン酸が豊富に含まれるので、

  1. グルタミン酸×イノシン酸
  2. グルタミン酸×グアニル酸

この2つの組み合わせを意識して食材を選ぶことで、出汁を取らなくても旨味豊かな味噌汁を作ることができます。
味噌+食材の組み合わせで出汁をとるイメージです。

手軽に味噌汁を作るコツ…

  • 加熱処理されてない味噌を使う
  • 味噌自体がグルタミン酸が豊富な食材
  • 味噌+食材の組み合わせで出汁を作る

③:食材をそのまま出汁として活用する

ここからは味噌汁の具として向いてる食材を挙げてきます。

まずは味噌の旨味を補強する、同種のグルタミン酸が豊富な食材を紹介します。

グルタミン酸が豊富な食材:トマト

野菜の中で最もグルタミン酸が豊富なトマト

トマトは野菜類の中で最も多くのグルタミン酸を含みます。

サラダや冷やしトマトなど冷やして食する機会も多いトマトですが、

温めることにより人間の味覚が味を感じやすくなるので温かい味噌汁にもオススメ。

ちなみに、種の周りのゼリー部分が他の部分と比べて約4倍のグルタミン酸を含みます。

ぜひ丸ごと使用したい野菜です。

グルタミン酸が豊富な食材:ブロッコリー

グルタミン酸、ビタミンCが豊富なブロッコリー

ビタミンCカルシウムを多く含み、グルタミン酸も豊富です。

茎の部分が固く筋張る場合にはひと煮立ちしたあと取り出してもOK。

汁にグルタミン酸が残るので、出汁ガラとして使うことができます。

ビタミンCは熱に弱いので、固い茎は煮込んで出汁ガラに、柔らかい花弁はサッとゆでて食すとビタミンCとグルタミン酸が無駄なく摂れます。

グルタミン酸が豊富な食材:野菜くず

ブロッコリーの芯以外にも、出汁に活用できる野菜くずはあります。

キャベツや白菜の芯はすじ張ってて食用に向きませんが、グルタミン酸が豊富です。

また、アラニンスクロースなどの甘味成分も多く、出汁にやさしい甘さが加わります。

キャベツの芯は出汁として使える

グルタミン酸×イノシン酸が豊富な食材

これまで見てきた通り、味噌との相乗効果を生むにはイノシン酸豊富な食材が有効であり、肉・魚介類の多く含まれます。

いくつか食材例を挙げてみましょう。

グルタミン酸×イノシン酸が豊富な食材:鶏肉

鶏肉はイノシン酸豊富

鶏肉もイノシン酸が豊富なので鶏ガラスープや鶏白湯など出汁としてもよく使われます。

よく煮込んだ手羽元なら骨からもグルタミン酸とイノシン酸が溶け出るのでより旨味が増します。

ただし鶏皮には独特なにおいがあるので、苦手な方は取り外して使うか、ショウガなど匂いをマスキングする根菜をひと欠け入れるとよいでしょう。

サラダチキンを使うのもアリです。

グルタミン酸×イノシン酸が豊富な食材:ウインナー・ソーセージ類

ウインナーの味噌汁

鶏肉のほかに豚肉もイノシン酸は多く含まれるので、豚肉製品であるウインナー・ソーセージ類も旨味を増やす食材です。

沖縄ではランチョンミートを具に使うのも一般的なので、決しておかしな組み合わせではありません。

あればじゃがいもやニンジンなどの野菜を足すと野菜のグルタミン酸が更に加わるうえ、栄養のバランスも良くなります。

グルタミン酸×イノシン酸が豊富な食材:魚介の缶詰

サバ缶は汁ごと使うといい

上のランチョンミートもそうですが、缶詰は旨味食材の宝庫です。

味噌とサバの相性が良いのはご存じのように、アジ・カツオ・イワシ・サバといった青魚にはイノシン酸が多く含まれます。

そしてこれらの缶詰めは大抵のスーパーで入手可能なので、手軽さでも缶詰は非常にありがたい存在です。

抵抗がなければ水煮缶の汁も使うと無駄がありません。

魚以外にもシジミやアサリもイノシン酸をたっぷり含みます。

魚介のにおいが気になる方は、

ショウガやネギなどの香味野菜を足すことでにおいをマスキングするのがオススメです。

グルタミン酸×グアニル酸

イノシン酸同様に、グアニル酸も核酸系の成分です。

イノシン酸は肉・魚介類の筋肉中にあるATP(アデノシン三リン酸)が分解されて生じるのに対し、

グアニル酸は食材の細胞内のリボ核酸が分解されて生じます。

グルタミン酸×グアニル酸が豊富な食材:マッシュルーム

グアニル酸豊富なマッシュルーム

グアニル酸は椎茸に代表されるキノコ類に多く含まれ、マッシュルームもそのひとつです。

生のマッシュルームは中々見かけませんが、缶詰の加熱処理したものでもOK。

サバ缶同様に汁ごと使うと無駄なく旨味を摂ることができます。

グルタミン酸×グアニル酸が豊富な食材:ドライトマト

核酸系のグアニル酸は干物にすることで増える

核酸系の旨味は乾物にすると増える特徴があります。

生の状態だとグルタミン酸が豊富なのに対し、ドライトマトになるとグアニル酸が急激に増加します。

この章の冒頭で紹介したように、

食材の持つATPやリボ核酸が食材自身の分解酵素によって分解されるので、

生の状態より旨味成分が増加します。

トマトの他にも鰹節煮干し干し椎茸といった味噌汁にお馴染みの食材が代表例です。

グルタミン酸×グアニル酸が豊富な食材:海藻類

青のり、海藻類にもグアニル酸が含まれる

青のりや海苔にもグアニル酸が多く含まれます。

一口に海苔と言っても、青のりは緑藻の仲間であるアオサ科アオノリ属で、

一般的な黒い海苔は紅藻の仲間であるアマノリ属といった違いがあり、食感や風味も異なります。

鮮やかな緑色をした青のりは鮮度が良い証拠。

香りも高くて味噌汁の具に最適ですが、色と風味が落ちやすいので冷蔵保存が必要です。

そのまま食べられる乾物ですので普段の味噌汁にちょい足しするのにも良いでしょう。

他にもめかぶやとろろ昆布も独特のとろみがついておいしく食べられます。

まとめ

以上のポイントを抑えると、出汁を使わずとも味噌汁を手軽に作ることができますし、ちょい足しで普段の味噌汁をよりおいしく仕上げるのにも有効です。

日本人の定番食として日常的に飲む味噌汁ですので、時には手軽に済ますヒントになれば幸いです。

出典元:

うま味を多く含む食品一覧 (特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター)

青のりと海苔の違いって?味や栄養素・使い方に違いはある? (お役立ち情報サーチ)

コンソメ (Wikipedia)

https://jitakuseigiku.com/shoshinsha-misodukuri/ https://jitakuseigiku.com/satou-amazake-daiyou/ https://jitakuseigiku.com/genmai-pack-amazake/
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