調理のあれこれ

肉を焼く前に塩をふる理由は?上手な塩の使い方って?

こんにちわ。製麹員です。

この記事では料理の際にふる塩の効果についてまとめてみます。

なぜ肉を焼く時に塩をふるの?

塩にはタンパク質の「熱凝固」を促進する働きがあります。

熱凝固と言うとなんだか仰々しい感じがしますが、卵を例にするとゆで卵のことです。

柔らかい生卵が加熱により熱凝固して、固いゆで卵になりますよね。あれのことです。

(※少し話が逸れますが、塩水で卵を茹でる理由は、殻が割れた時に塩水がタンパク質の凝固を助け、卵が流れ出にくくするためなのです。)

肉の場合、焼く前に肉の表面に塩を振ることでより早く表面のたんぱく質が固まり、肉の内側にある旨味が水分と共に流れ出るのを防ぐ効果があります。

また、そのまま肉や魚を鉄板やフライパンで焼くと、タンパク質と金属が反応して「熱凝着」という反応が起こります。要するに、網やフライパンに引っついてしまいます。

塩にはこの熱凝着を阻害してはがれやすくする効果も期待できます。

(※フライパンに油を敷くのも、食材と金属を直接触れさせないことでくっつかなくするためです。)

つまり、塩を振ることで

  • 旨味を閉じ込める
  • 引っつきを防止する

効果があると言えます。

塩をふるタイミングは?肉と魚でタイミングは違う。

では、いつ塩を振るべきなのでしょうか。

これは食材によってタイミングが変わってきますが、その理由は「浸透圧」です。

塩には浸透圧により食材の水分を奪う性質があります。その時に臭みの成分も一緒に奪います。

そのため、魚であれば焼く前の10分前、

青魚のような臭みが強い魚であれば焼く20~30分前に塩を振り、水分をふき取ってから焼くとよいでしょう。

では、肉の場合はどうでしょうか。

肉の場合は魚の様に臭みを抜く必要があまりないので、塩振りから長い時間置く必要はありません。

むしろ水分と共に旨味が奪われるデメリットが生まれるので、肉の塩振りは焼く直前がベストと言えます。

板ずりに化粧塩…それぞれの役割は?

塩には塩振りの他にも色々な使い方があります。

いくつか例を挙げてみましょう。

板ずり…

まな板に塩を敷き、その上でオクラやキュウリ等の皮が厚くて丈夫な野菜を転がします。

そうすることで皮の表面にキズがついて味を染みやすくする方法です。

また、皮のトゲやケバを取り去る効果もあります。

化粧塩…

魚を塩焼きにする際に、焦げやすいヒレや尻尾に多めに塩を振ることで焦げ付きを防ぐ方法です。

鮎やイワナなど、川魚の塩焼きでよく見られるやり方ですね。

立て塩…

大量の魚に均一に塩をしたい時に海水と同じ3%程度の濃い食塩水に数分浸ける方法です。

アジの開きなどを作る時によく用いられます。

粒子状の塩振りだとどうしてもムラができますが、立て塩だと全体にムラなく塩が浸透するので水分と臭みをまんべんなく取ることができます。

まとめ

以上のことを踏まえて塩振りの効果をまとめてみると、

  1. 加熱の際、タンパク質の凝固を助けて旨味を閉じ込め、引っつきづらくする
  2. 魚は焼く10分前、肉は焼く直前に塩を振る
  3. 塩振り以外にも様々な塩の使い方がある

このようなことが言えます。

普段何気なく行う塩振りですが、実はおいしい調理に有益な効果がありますので参考になれば嬉しいです。 

最後に注意書きですが、今回の内容はあくまで調理直前の塩の使い方について解説しました。

それとは別に調理前の下準備、特に生の魚介類については食中毒を避けるために、少しだけ塩の扱いに注意が必要です。

こちらの記事に生の魚介類を扱う際の注意点についてまとめてますのでよろしければあわせて読んでみて下さい。