調味料は順番が大事? 料理の「さしすせそ」って?

和食のキホンは「さしすせそ」なんて言います。
調味料の使う順番を表したものですが、順番があるのにもちゃんと理由があります。

結論からお伝えすると、
- 「さし」は必ず最初
- 「すせそ」は最後に使う
この2つを覚えておけば大丈夫です。
この記事では調味料を使う順番がある理由について紹介していきます。
▼▼▼▼▼この記事を書いた人▼▼▼▼▼

「さしすせそ」って何の略?
さしすせそは調味料の頭文字をとったもので、
- さ…砂糖
- し…塩
- す…酢
- せ…せいう(醤油)
- そ…味噌
だとされています。
意外と「さ」を酒と勘違いすることがありますが、正しくは砂糖です。
調理の際には上から順に使うのが良いとされていますが、どのような理由があるのでしょうか?
「さし」は必ず最初

調味料に順番があるのは食材に味付けをするためです。
そのためには最初の「さし」を必ず守ればOK。
後の順番は実はそこまで重要ではありません。
理由は分子の大きさ

「さ」は砂糖、次が「し」の塩ですが、砂糖が1番最初である理由は分子の大きさにあります。
砂糖と塩はどちらも浸透圧によって食物の水分を奪う働きがあります。
この際、砂糖はスクロースに、塩は、Na⁺(ナトリウムイオン)とCl⁻(塩化物イオン)に分解されます。
スクロースと Na⁺ ・Cl⁻では、スクロースの方が分子が大きいので、 先に砂糖が食物の細胞内に染みこむことで大きな穴が空きます。
後から小さい塩のイオンが入り込む余地が生まれます。
これが逆だと、小さい塩のイオンに大きな砂糖は入れません。

ビンに詰める順番のお話に似ていますね。
瓶にゴルフボール、小石、砂、ビールを入れて人生の優先順位や大切なものを教えてくれる良き講義。ゴルフボールが家族や友人、健康、情熱を注げるもので、小さくなるほど瑣末なもの。先に入れるべきは大きなものという話で、ビールはいつでも余裕をと。わりと有名な話ですが、動画で見るの初めてでした pic.twitter.com/yLwHFuFjLN
— Satoshi Onodera 🇺🇸 (@satoshi_gfa18) October 22, 2021
つまり砂糖を一番先に使う理由は、
塩を先に使うと砂糖の味が入らなくなるから
ということになります。
「すせそ」は最後に使う

では、残りの「すせそ」を見ていきましょう。
結論から言いますと、「すせそ」を後にするのは味と香りを損なわないためです。
酢は揮発する
「す」の酢には揮発性があるので、加熱により味と香りが飛んでしまいます。
そのため、調理の終盤に入れて味と香りを残すために最後に使います。
醤油と味噌も同様
「せ」と「そ」の醤油・味噌も味と香りを損なわないために調理の終盤に使います。
旨味のもとであるアミノ酸は加熱により変性します。
また、香りの成分である高級アルコールやエステルも加熱により揮発してしまうので、
味噌汁の味噌は火を止めてから入れると教わるのはこのためです。

味噌煮など長時間煮込む料理の場合は、分量の味噌の半分を取っておいて最後に溶かすと、香りが残ります。
【参考】手前味噌はなぜ自慢したくなる?自家製味噌がおいしくなる理由
ですので「すせそ」の順番に使いましょうという意味よりは、
「さし」の後に「すせそ」を使いましょうね。と解釈する方が適切です。
まとめ
まとめです。
- 「さし」は必ず最初
- 砂糖を1番最初に使う理由は、分子が大きいから
- 「すせそ」は最後に使って味と香りを残す
私も最初の「さ」が酒なのか砂糖なのか曖昧なこともありましたが、
しっかりと理屈を知ってから考えると自然と砂糖だと認識するようになりました。
この記事を読まれた方の、料理の参考になれば幸いです!



