蔵人はダブルワークのはしり?現役蔵人がいかに兼業・副業をやりやすい仕事かを解説

兼業・副業するなら蔵人がおすすめ
兼業・副業をするなら蔵人がおすすめです。
この記事では現役で蔵人をしている筆者本人が、蔵人を勧める理由と、兼業・副業を始めるポイントについて解説いたします。
▼▼▼▼▼この記事を書いた人▼▼▼▼▼
蔵人に興味がなくとも、兼業・副業をしている人間としての考えもまとめましたので、ぜひご覧ください。
兼業・副業が当たり前になっていく

2019年4月に経団連トップが会見で、「終身雇用は限界」と発言して話題になりました。
終身雇用制度の終焉にともない、今後ひとつの職業に就いたまま定年を迎える人はかなりの少数派になっていくでしょう。
そうした時代の流れを考えても、蔵人って今の時代に合った働き方なのです。
経団連ができる何百年も前から兼業・副業が当たり前の仕事です。年季が違います。
蔵人にとってダブルワークが主流なわけは、その特殊な働き方に関係しています。
ダブルワークが前提の働き方

(ここでは私同様に日本酒の蔵人をメインに話を進めます)
酒蔵は冬の間が繁忙期です。
秋に収穫した新米を精白したのち、冬の気温が低い時期に1年分のお酒を一気に製造します。
必要な労働力は、収穫を終えて閑散期になった農業や林業従事者の出稼ぎによって賄われてきました。
人手の需要と供給が一致していたんですね。

今でこそサラリーマン同様に通年雇用で働く蔵人(私の場合も通年雇用です)も増えてきましたが、
このように繁忙期にだけ一定期間の契約を結んで働く季節雇用の蔵人が一般的でした。
春になって酒造りが終わると、彼らはまた農業や林業に戻っていき、別の仕事を始めます。
こうしたダブルワークのはしりでもありました。
多様化する働き方

蔵人って、やり方によってかなり自由度の高い働き方ができます。
ひと昔前なら夏は農業で田んぼか畑に入るのが一般的でしたが、最近だと、
- 蔵人×フリープログラマー
- 蔵人×販売(せどりなど個人事業を含む)
- 蔵人×Webライター
といった、PCがあれば始められ、資格も必要でない、
大きな設備投資もいらない低リスクな兼業・副業を始める人は蔵人に限らず増えています。
趣味やスキルを武器にする

プログラミングやWeb知識が無くったって、個人の趣味やスキルが立派な武器になります。
- 蔵人×クラフト物販
- 蔵人×ワークショップ開催
- 蔵人×フードコーディネーター
これらはスキル・経験をうまくかけ合わせることで、自分でも思いもよらない収入源となる可能性を十分に秘めています。
蔵人の働き方

ここから少し蔵人の働き方の特徴を紹介します。
特徴①:一定期間集中して働ける
さきほど少し紹介しましたが、酒蔵の繁忙期は秋~冬にかけてです。
その期間は休みは多くて週1日程度、もしくはまったく休み無しで働く酒蔵もあります。
その代わり季節雇用であればたいてい日当換算で報酬が支払われます。
上記の募集要項例であれば1ヶ月あたり手取りで30万円も可能です。
休みは少ないというのを1年単位のメリハリと割り切れるならこういう働き方もアリですよね。
蔵人の求人について興味がある方はこちらもご参考ください▼▼▼▼▼

特徴②:1ヶ月単位のまとまった時間が取れる
契約期間が終われば季節雇用はフリーに戻ります。
2ヶ月でも3か月でも好きなだけ時間を自分で作れちゃいます。
この間に休みを謳歌するのももちろん素敵ですが、兼業や副業に充てる人も少なくありません。


通年雇用の場合でも、冬に取れなかった休みを夏に消化する会社が多いので季節雇用ほどではありませんが、それでも2週間~1ヶ月の休暇は取得できます。
蔵人の副業例
好きや興味を仕事にしやすい


蔵人の兼業・副業は春~夏にかけてがメインの時期になります。
短い期間に思うかもしれませんが、実際にやろうと思ったらけっこう出てくるもので、
こんな感じで、自分の好きや興味をそのまま仕事にしている人がけっこういます。
趣味と実益を両立するパターンも


ほかにも私の知る例では、
旅行好きなある蔵人さんは全国に旅行に行く傍ら、旅先の酒屋さんに営業をかけて自分の作った酒を売り込み、商談をまとめたりしています。
趣味と実益を見事に両立した働き方ですよね。
特別なスキルは必要ない
特に趣味もないし、仕事にできそうなスキルも資格もないよ…
という方も当然いらっしゃると思います。
私もそうでした。
副業をするのに何か特別なスキルや資格が必要なんじゃないかと。
でも、実際にやってみると特別なスキルや資格がなくてもまったく問題ありません。
筆者の場合、これまでやってきた未経験でもできる副業はこんな感じです↓
資格いりませんよね?
学生の夏休みのバイトみたいじゃないですか?
でも、それでいいんです。
社会人だろうがいい齢してようが関係ありません。
経験を積むことが圧倒的に大事です。
そういう思いで、今でも色んなことにチャレンジするようにしています。
この連休では仲間の協力を得て、味噌作りワークショップに開催側として参加させていただきました。
— 自宅製麹員@麹ブロガー (@jitakuseigikuin) March 21, 2022
初めてのことで不手際な部分もありましたが、終始和気あいあいとした雰囲気で終了、
私自身の刺激になったことは言うまでもなくです。
参加して頂いた方々とサポートしてくれた仲間たちに心より感謝。 pic.twitter.com/qX0WcuYfyd
楽しそうと思える仕事からチャレンジしていきましょう。
通年雇用でも副業は基本OK


別に季節雇用でなく通年雇用でもダブルワークは可能です。
むしろ通年雇用の方が収入的には安定度が上がるので、その方が安心する人の方が多いでしょう。
私は今の務め先では通年雇用契約ですが、もちろん会社から副業公認をもらった上でやっています。
副業を嫌がる会社もまだまだ多いでしょうが、はっきり言って時代遅れです。
そもそも会社に副業を申請する義務はありませんし、副業を企業が禁止するのは法律的にもできないとの見解もあります。
ただし、特別な待遇を受けてる場合は要注意
ただし、企業の機密情報を持っているような責任ある役職に就いていて、特別な待遇・報酬を受けているなら話は変わってきます。
その場合は雇用契約内容をよく確認して、罰則規定がないか慎重になったほうがいいでしょう。
蔵人のデメリット


夏はまとまった時間が手に入るとはいえ、繁忙期は休みが少ないのが蔵人最大のデメリットです。
会社によっては夜勤を担当する場合もあるので、職場に物理的に拘束されます。
副業をしたくても外に出られない状態になりがちです。
ネット環境を整えて、デメリットを改善


ただしこれは現代においてはかなり緩和されてきています。
今はネット環境とPC1台あれば稼ぐ手段は色々あります。
これらはPC1台あれば始められる代表的な副業で、私もいくつか実践しています。
コツや役立つサービスをいくつか紹介しましょう。
ウェブ初心者でも、コツコツと続ければ稼げる


ウェブ業界の会社に所属しなくても、スキルを磨けばココナラなどの仕事依頼サイトから単発で仕事を得られます。
最初のうちは単価の低い案件からスタートするのが一般的ですが、スキルと信頼を磨いて徐々に高単価案件にも手が届くようになります。
\仕事依頼クラウドソーシングサイト/
かくいう私も、蔵人をしながらブログ運営・Webライティングをしているひとりです。
朝や昼のちょっとした時間を利用してコツコツと続けています。
パソコンはネットを見る程度、特別ウェブに詳しい訳でもなく完全なる未経験からスタートしました。
それでも毎月少しづつですが確実に収益は上がってきています。


Web系の副業は、繁忙期でも自分のペースで続けられるので本当におすすめです。
どれもやったことがなくて、いきなり副業なんてハードルが高いと思うなら、勉強しておくだけでも全然問題ありません。
小さな一歩でもいいんです。
勉強して、それを経験値としていきましょう。
蔵人は自立マインドが養える


蔵人が自由な働き方を実現しやすい職なのはお分かりいただけたでしょうか。
ですが、いざ自由にしていいよと言われても困ってしまいますよね。
どんな仕事を選べばいいんだろう…
何から手をつければいいか分からない!
そんな時のアドバイスも少しだけお話させてもらいます。
会社に依存しない


自分の働き方を決める上で必要な考え方は、会社に依存しないことです。
なにも、今すぐ会社を辞める必要はありません。
会社に対して愛着を持つなというわけでもありません。
愛着と依存は別物です。
自立意識を持って、生き方を決めていこうってことです。
その方が、人材としての自分を磨くモチベーションも上がるし、結果的に勤めている会社にとってもプラスになります。
人材として自立意識を持つ


季節雇用の蔵人はいわばフリーランスの酒の作り手です。
フリーランスは自由度が高いですが、そのかわりに収入的には当然不安定になります。
通年雇用でも、酒蔵の大半は中小企業です。5年先・10年先に会社が存続してる保障はどこにもありません。
しかし、これらはなにも蔵人に限った話ではありませんよね?
冒頭でも触れたように終身雇用制度は限界を迎え、国が兼業・副業を推進している時代です。
むしろ自分の働き方・生き方に責任を持つというのはこれからの日本で今まで以上に必要とされるマインドだと言えます。
「〇〇会社の××」という所属意識も組織で働くには必要ですが、その前に一人の人材として自立意識を持ちましょう。
自立意識を持つには以下のことが重要です↓
自分の人材価値を常にチェックする


通年雇用・季節雇用に関わらず、自分の人材価値については定期的に確認してみましょう。
具体的な方法でいうと、転職サイトで今の自分のできる仕事を探してみることです。
これで自分の今の資格やスキルを洗い出し、人材としての自分にはどのような仕事があるのかを確認します。
大体の転職サイトは完全無料で登録できます。
就活支援大手のリクルートが運営するリクナビNEXTなら、登録だけで求人スカウトを随時教えてくれるので探す手間も省けてかなり便利です。
\実績No.1エージェント/
仮に転職となれば引っ越しなどの費用はかかりますが、転職活動だけで言えば費用はまったくかかりません。
ノーリスクでできるのでぜひ活用しましょう。
副業で得た経験を資格につなげる


資格はあなたの持つスキルをわかりやすく証明してくれる心強い存在です。
資格と副業はどちらが先でも構いません。
資格があれば仕事を見つけやすくなる、それは確かです。
ですが、資格は過程で得るものです。目的ではありません。
まずは資格の大元である面白そう・やってみたいという興味から副業を探してみるのもいいと思います。


経験はスキルになり、磨けば資格になります。
一見無関係だと思えた経験が、思いもよらないところで活きてくることもあります。
無駄な経験なんてないってやつです。
実務経験があれば技能士がおすすめ
すでに何らかの社会人経験がある場合なら、国家資格である技能士がおすすめです。
技能士は実務経験があるほど受かりやすい資格なので、ある程度実務経験のある方なら、受験資格をいつの間にかクリアしていることがよくあります。
特に勉強してこなかったし、受かるわけないよ。。。
なんていうのは少し早いです。
実は今までの経験で十分合格に届くレベルにあるかもしれませんよ。
詳しくはこちらもご覧ください▼▼▼






技能士は国家資格なので、経験証明・権威性は民間資格よりも上です。
「あ、この人は経験をしっかり積んできたんだ」(経験証明)
「国家資格を持っているならしっかりやってくれそうだな」(権威性)
と面接時にプラスに働いてくれます。
手に職をつける製造業系は特にですね。
技能系・製造系を探すなら
技能系・製造系を目指すなら、資格よりも実際にやってみる方が早い場合が多くあります。
まずは単発バイト・知り合いの手伝いなんでもいいので、ダブルワークの第一歩を踏み出すのをおすすめします。
一口に製造業といってもその幅はめちゃくちゃ広いので、製造業の求人を調べるなら工場求人ナビが便利です。
- 住み込み寮
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こういった実際の待遇をすぐに調べて比較でき、コーディネーターの手厚いサポートも受けられます。
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まずは行動してみましょう。
まとめ:蔵人はダブルワークに向いている


もともとが兼業・副業が当たり前の仕事なので、蔵人をしているとダブルワークに対するマインドが自然と身に付きます。
私はこのマインドがすごく重要だと思っていて、
酒造会社に限ったことではなく、気づかぬうちに業界の狭い常識に囚われてしまい、チャンスロスをしてしまうことはどこでも起こり得ます。
そんなチャンスロスを防ぐために色んな価値観や経験を積むのは会社・働き手の双方にとってメリットになるはずです。


また、少子高齢化により日本の若年層は減り続け、働き手は不足していく一方です。
限られた人材が育たない・入ってこないというのは、業界全体の損失以外の何物でもありません。
魅力ある働き方・生き方を積極的に提示して、蔵人という働き方に少しでも興味を持ってほしいと思うのが、酒造業に身を置く私の個人的な願いでもあります。
そうした願いはありますが、もちろん実際に蔵人になってもらわなくてもまったく構いません。
読んでいただいた方の自分らしい働き方を見つけるヒントに少しでもなれたら嬉しいです。