自宅で製麹

【1キロ以上の製造】自宅での麹の造り方【第3回 2日目~完成編】

3回に分けて紹介してきました自宅での麹の造り方。

いよいよ最後の回、「2日目~完成編」です。

前回の記事はこちら↓

【1キロ以上の製造】自宅での麹の造り方【第2回 米洗い~1日目編】 今回は自宅での製麹「米洗い~1日目編」です。 前回の記事はこちら↓ https://jitakuseigiku.com/j...

残りの工程を確認します。

残るはあと「切り返し」「仲仕事」「仕舞仕事」の3工程です。

順を追って見ていきましょう。

2日目 7:00 切り返し

1晩経ったお米を見てみますと、ポツポツと白い斑点が出来ています。

目視できるようになった麹菌

ちょっと見づらいかもしれませんが…白い斑点が麹菌です。

目で見えるくらいに繁殖してきている証です。

ここからは麹菌が爆発的に繁殖していくので、切り返しで繁殖に必要な酸素を供給してあげます。

お米をまた1粒ずつバラバラにするイメージでほぐしていきます。

切り返しで酸素を供給

ほぐしたら、水切りラックに戻し、ここからは平たく均一に敷き詰めます。

なるべく温度ムラを無くすためです。

平たく均一にのばした蒸し米

備考に「お米がベタつくなら蓋外す」とありますが、

この時お米がベタベタと手にまとわりつくようであれば水分過多が考えられます。

フタはせずに麹布を折りたたむだけにして水分が飛ぶようにしましょう。

水分が多い場合はフタを外しておく

再び電気毛布と段ボールで養生して、35℃~38℃に上がったら次の仲仕事に入ります。

目視できるほど麹菌が繁殖してくると、麹自身の発酵熱ですぐ温度が上がるようになってきます。電気毛布を少し弱めるなど調整してあげてください。

このように、2日目の「切り返し」「仲仕事」「仕舞仕事」の3工程は、盛んに繁殖する麹菌に混ぜて酸素を供給してあげる工程となります。

※表では仲仕事は11:00~としていますが、1・2時間程度ずれても問題ありません。

麹菌も生き物ですので、何回も造ってると元気な時もあればそうでない時があるのを肌で感じます。

時間通りにいかないのが当たり前だと思って、目安の温度に達したら仲仕事・仕舞仕事と移りましょう。

2日目から麹菌が盛んに繁殖を始める

「切り返し」「仲仕事」「仕舞仕事」は酸素を供給する目的

時間が多少ズレても大丈夫。目安の温度に達したら次の工程へ

2日目 11:00 仲仕事

温度が目安まで達したら仲仕事です。

仲とは作業の中間地点のことだという意味です。

もしかしたら他の由来もあるかもですが、私はそう聞いてます。

切り返し同様にほぐします。

ちょっとずつ斑点が大きくなっているのが分かります。

斑点が大きくなってきた麹

仲仕事の備考に「ベタつくならザルだけにする」と書きましたが、ここでまだお米がベタつくようなら水分を放出するために、ラックの器を外してしまいます。

下のラックも外す
せいぎくいん

フタやラックを脱着して水分調整できるのが食器洗いラックのメリットです。

逆にお米が乾いてカリカリならラックの器に濡れタオルを敷いて調湿します。

キレイなタオルが無い場合はよく洗った蒸し布を使ってもいいです。

濡らしたタイルで加湿

お米がベタつく場合はザルだけにして水分を飛ばす

乾いてる場合は濡れタオルで加湿

2日目 16:00 仕舞仕事

仕舞仕事とはその字の通り、人間が手を入れる最後の工程です。

この頃になると麹菌の菌糸が外に広がり、固まりになってきています。

固まり始めた蒸し米

近撮するとこんな感じです。

固まりの近撮

固まりをほぐして、均一に敷きつめます。

人の手を入れる作業はこれで終わりです。

後は37℃~40℃の温度をキープします。

温度の上がりすぎ・下がりすぎないよう、たまに温度を見て電気毛布の強弱を調節してあげます。

ちなみに、「ちょっと目を離したら40℃を超えてた!」なんてことがあっても焦らなくても大丈夫です。

とりあえず段ボールから出して温度が下がるのを待ちましょう。

ただし、麹は48℃以上になると自身の発酵熱で死滅してしまいますので、一歩手前の45℃以上にならないようにだけ注意してあげてください。

電気毛布の強弱で温度を調節

45℃以上にならないようにだけ注意

ここから温度を気にして一晩越しますが、ある意味ここが一番気が気でないかも知れません(笑)

しかし、ここまでくればあと少しです。

余裕があれば夜中も数時間おきに温度を確認してください。

45℃を超えないようにだけ気をつけましょう。

おやすみなさい

翌3日目 12:00 完成

昨日の夕方から温度キープして、ようやく完成です。

菌糸がしっかり伸びて、ぎゅむっと固まっています。

麹の完成

近撮すると、麹菌がしっかり繁殖しているのが分かります。

うっすら黄色っぽい色も出てますが大丈夫。麹本来の色です。

一般的な種麹は「黄麹」といって、こうした黄色がかった色をしてます。

(種麹の中には放射線照射を用いて変異させた真っ白になる麹もありますので、真っ白になる場合もあります。)

麹の近撮

割ってみるとこんな感じです。

麹を割ったところ

最後に、この固まりになった麹をよくほぐして麹布に広げ、荒熱と水分を飛ばします。

麹を崩したらなるべく薄く広げて…

平たくのばした麹

ぐる~っとうずを作って…

麹に渦を描くところ

凹凸をつけると表面積が増えて、温度と水分がより抜けやすくなります。

乾かしやすくした麹

荒熱がとれたら、ビニールやジップロックに麹を移して冷凍庫で保管

大体1ヶ月くらいで使いきりましょう。

まとめ

3回に渡って紹介してきました自宅での麹の造り方ですが、お付き合い頂きありがとうございました。

長々と書いてきましたが、この回のざっくりまとめは、

  • 水分が多かったらフタや器を外して調整
  • 逆に乾いてカリカリだったら濡れタオルで加湿
  • 45℃以上にならないようにだけ注意する

って感じです。

やってみると3日間もかかるわ夜中に温度も気にしなきゃいけないわで、

「麹って造るモンじゃなくて買うモンだな」って思う方もいらっしゃると思いますが(笑)

麹菌が元気でいられるよう色々気にかけて完成した麹は、愛着もひとしおで料理に使うのが楽しみになってきます。

もちろん市販の麹でも十分事足りますが、「甘酒専用の麹に育ててみよう」「味噌専用に育ててみよう」なんてカスタマイズもできるようになります。

その辺の違いについても、また紹介したいなと思っています。

参考になれば幸いです。

ではまた。

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